研究課題/領域番号 |
07239233
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 真一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10127219)
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研究分担者 |
高橋 昌男 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00188054)
金丸 文一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40029848)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 固体電解質 / 多孔体 / メゾ多孔体 / 組織制御 |
研究概要 |
固体イオニクス材料では、結晶構造中におけるイオンの拡散が重要である。しかしこれを液体電解質並に高めることは、極めて困難である。本研究では、可動イオンとの反応表面積を増すことを目指して、界面活性剤(アルキルアンモニウム塩化物)をテンプレートとして共存させた水溶液より析出させたタングステン酸およびバナジン酸の構造、さらに加熱処理によって界面活性剤を取り除いた生成物の構造を調べ、界面活性剤イオンをテンプレートとして用いることによってメゾ多孔性のWO_3およびV_2O_5を得る可能性を検討することを研究目的とした。 1.タングステン酸を析出させて界面活性剤を加えると、H_2WO_4・H_2Oの層間にイオン交換して界面活性剤の陽イオンが取り込まれたと思われる約2.5nmの大きな層間隔をもつ化合物が得られた。 2.析出時に加える塩酸と界面活性剤の順序を入れ替えても、析出物のX線回折図には大きな変化はなかった。 3.大気中で加熱処理すると、380℃付近で見られたタングステン酸の骨格構造を保っていると考えられる物質を経て、540℃付近で結晶性が極めて悪く大きな層間隔を持つ新たな層状物質が生成し,600℃では主成分であるWO_3とともに、層状ミセルを除去したのちの層構造に対応するのではないかと思われる低結晶性の成分も見られた。 4.界面活性剤を共存させて析出させたバナジン酸においても、2.6nm以上の大きな層間隔をもつ化合物が得られ、透過電子顕微鏡によって対応する面間隔を持つ格子像が観察された。 5.バナジン酸から得られた熱分解生成物の粉末X線回折にも、タングステン酸の場合と同様の層状ミセルを除去した後の層構造に対応するのではないかと思われる低結晶性の成分がV_2O_5とともに見られた。
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