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固体内高速イオン移動現象とその電子状態の第一原理シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 07239238
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関広島大学

研究代表者

下條 冬樹  広島大学, 総合科学部, 助手 (60253027)

研究分担者 星野 公三  広島大学, 総合科学部, 教授 (30134951)
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード高速イオン移動現象 / 超イオン伝導体 / プロトン伝導 / ペロブスカイト型酸化物 / 第一原理分子動力学法 / 電子状態 / 擬ポテンシャル / 理論
研究概要

本研究は、固体内でのイオンの高速移動機構を理論的手法、主として第一原理分子動力学法により解明しようとするものであり、具体的には、近年、実験的研究が盛んになされているペロブスカイト型酸化物中のプロトン伝導現象を対象とし、プロトン伝導のミクロな機構の解明を目指す。対象物質としては、ScをドープしたSrTiO3中のプロトンに注目し研究を行った。
計算は、断熱近似の範囲で行い、価電子とイオンとの相互作用には、擬ポテンシャルを用いた。電子状態は、局所密度近似を用いた密度汎関数法で扱った。計算法としては、分子動力学法の各ステップで、共役勾配法を用いて電子系を基底状態に収束させる型の第一原理分子動力学法を採用した。はじめに、構造最適化の計算を行いプロトンが最も安定に存在し得る位置を特定し、次に、動的シミュレーションを行い、プロトンの拡散経路やそのミクロな機構を調べた。
構造最適化計算の結果、プロトンとTi(または、Sc)は互いに遠ざけ合い、Oはプロトンに近づく方向に移動した。最安定な構造では、プロトンは、最も近いOと強く結合しており、O-H間の距離は、役1.04Åである。プロトンは、2つのOを結ぶ線に関してTiの反対側に位置し、H-O-Oのなす角度は約13°である。プロトンをドーパント(Sc)の近傍に導入しても、イオン間距離、角度共に違いは最大2%程度であり、プロトンの位置はドーパントによりほとんど変わらないことがわかった。動的シミュレーションを行い、プロトンは、常に近傍のOイオンと結合しており、絶えずストレッチング振動をしている様子を再現した。振動のモードは、約2800cm^<-1>であった。拡散をするときも、プロトンは近傍のOイオンと結合しており、O-Hのストレッチング振動をしながら、つまり、O-H間の平衡距離をほとんど変えずに移動することを明らかにした。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Fuyuki Shimojo: "First-principles molealar-dynamics simulation of expanded liquid rubidium" Physical Review B. 52. 9320-9329 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Fuyuki Shimojo: "Stable Positions of a Proton in Sc-Doped SrTiO_3 Determined by First-Principles Pseudopotential Calculation" Journal of the Physical Society of Japan. 65. (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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