研究課題/領域番号 |
07239240
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
南 努 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081313)
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研究分担者 |
忠永 清治 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90244657)
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (50137238)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 超イオン伝導ガラス / 分相 / 不均質ガラス / 結晶化 / 微細組織 / ヨウ化銀 / 超急冷法 / 複合体 |
研究概要 |
本研究は、安定でイオン伝導性の高いガラス材料を設計する場合、必ずしも均質ガラスである必要はなく、伝導性の高いガラス相と安定性の高いガラス相を組み合わせた分相ガラスも視野に入れるべきであるという立場に立ち、不均質構造を有する新しい超イオン伝導ガラスを創製すべく、その基礎的検討を推進するものである。本研究で得られた成果を以下に示す。 1 AgI-Ag_2O-B_2O_3系超急冷試料の微細組織と組成の関係を調べた。その結果、通常のアイロンプレス法で作製できる組成のガラスは均質であるのに対し、超急冷法でのみ得られるAgI含量の多い組成のガラスは、基本的に不均質な組織を有していることが分かった。また、このような不均質ガラスの得られる組成域よりもわずかにAgI含量の多い組成域でα-AgIが常温凍結できることが分かった。 2 AgI-Ag_2O-B_2O_3系超急冷却試料のイオン伝導度と組成の関係を検討した。不均質ガラスの伝導度は、通常の均質超イオン伝導ガラスよりも高く、α-AgI常温凍結複合体よりも低い値を示した。また、均質ガラスにおいては、測定温度域内でArrhenius式に従うのに対し、不均質ガラスにおいては270K付近で折れ曲がりがみられた。この折れ曲がりは、α-AgI常温凍結複合体において明確にみられるAg^+イオンの秩序-無秩序転移に由来する伝導度異常に関係したものと考えられる。 3 AgI-Ag_2O-B_2O_3系において、不均質ガラスが、通常の均質ガラス生成域とα-AgI常温凍結複合体生成域の間の組成域で生成することから、このガラスはAgIに富むガラス相がAgIの少ないガラス相中に分散した分相ガラスと考えられる。またこのうち、AgIに富むガラス相は、均質ガラス中に存在すると考えられているAgI類似のクラスターがAgI濃度の増加の伴い成長したものではないかと考えられる。
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