研究課題/領域番号 |
07239243
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
永井 正幸 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (80112481)
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研究分担者 |
西野 忠 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (30061485)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | イオン導電体 / コンポジット / 多孔質アルミナ / フッ化鉛 / イオン伝導度 / 結晶子 / 粒子配向 / 格子不整 |
研究概要 |
本研究では、アルミナ細孔中にイオン導電体を堆積させたコンポジットについて、作製条件と組織・構造・電気伝導度の相関を調べ、この方法で得られたコンポジットの特異性を明らかにすることを目的とした。 温度の影響に重点をおき、Pb(NO_3)_2とNH_4F両水溶液を用いて、容器内を仕切り隔壁に多孔質アルミナを固定して、長時間放置することによりPbF_2-Al_2O_3系コンポジットを作製した。温度は室温から50℃まで変化させた。試料を多くの薄片に分け、生成相・生成相の割合・結晶子径・粒子配向・堆積密度・格子不整を調べた後、乾燥アルゴン中において電気伝導度を測定した。 室温付近ではα-PbF_2相が安定相とされているが、加熱した水溶液を用いることにより、as-grown状態でβ相の単一相が得られることが判明した。コンポジット中のβ相粒子は、(220)面が成長面に対して垂直方向に選択的に配向したが、その程度は小さかった。通常沈殿法で作製した試料とコンポジットとでは、結晶子の大きさは殆ど差がないが、コンポジットには格子不整が導入されていることが明らかになった。コンポジットにのみ顕著な格子不整が認められたことは、格子不整がアルミナとPbF_2の界面、または微小細孔中での成長に起因していることを示している。 室温及び50℃で作製したコンポジットと、通常沈殿法により50℃で作製した圧粉体の電気伝導度の温度依存性の比較から、50℃で作製したコンポジットの伝導度は、室温で作製した試料よりも大きいが、その値は圧粉体よりは小さいことが判明した。しかし、アルミナの気孔率と堆積物の占有率を用いて電気伝導度を修正すると、伝導度の増大効果が認められることがわかった。 以上より、本方法で得られたコンポジットは、特異な組織・構造・イオン伝導性を示すことが明らかになった。
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