研究課題/領域番号 |
07240212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
榎 敏明 東京工業大学, 理学部, 教授 (10113424)
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研究分担者 |
佐藤 博彦 東京工業大学, 理学部, 助手 (90262261)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 炭素 / 吸着 / マイクロポア / 多孔質 / ホッピング / スピングラス / 磁気抵抗 / インターカレーション |
研究概要 |
活性炭素繊維(ACF)は極めて大きい比表面積(1000〜3000m^2g)を持つ多孔性炭素であり、数百個の炭素原子からなるマイクログラファイトの乱れた三次元ネットワークから構成されている。その隙間には10〜数10Å程度のマイクロポアが存在し、非常に大きな比表面積の要因となっている。またACFの乱雑構造は熱処理により制御できるため、乱雑な構造と物性との相関を研究する上で大変興味深い。本年度はマイクロポア内に酸素分子、ヨウ素、イオウ、リチウム、リン酸を導入し、少数多体系としての構造、電子状態、磁性について研究した。リチウム及びイオウを導入した系では、磁化率、20Tまでの磁場中での磁気抵抗の予備実験を行い、ゲストの導入による磁化率、磁気抵抗の変化を観測し、現在、解析及び実験の継続を行っている。酸素分子の導入した系においては、吸着等温線及び磁化率の温度、吸着量依存性を測定し、低酸素吸着量領域においては、磁性が弱く化学吸着した酸素分子の特徴を持ち、高吸着量領域では、スピングラス的挙動を示すことが明らかとなった。ヨウ素を導入した系においては、低温熱処理試料の場合、ミクログラファイトドメイン間の電子輸送現象がクーロンギャップ的可変長ホッピング機構により支配され、導入されたヨウ素の誘電効果が重要な役割をすることが明らかとなった。また、高温熱処理試料では、金属的挙動を示し、ヨウ素導入による変化は小さいことが明らかとなった。
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