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小さな希ガス分子クラスターのダイナミックス

研究課題

研究課題/領域番号 07240216
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

志田 典弘  名古屋工業大学, 工学部, 講師 (00226127)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード分子クラスター / 相転移 / 位相空間 / ポテンシャル曲面
研究概要

この研究では、溶液を代表するもっとも小さな系としてAr7のように弱いファンデルワールス力で結合している小さな希ガス分子クラスターを考え、そのダイナミックスをポテンシャル曲面の形状と位相空間の挙動に注目して解析した。特に20K付近で起こる融点の前後で、ダイナミックスがどのように変化するかを詳細に検討した。このような分子クラスターの融解現象は、ポテンシャル曲面上の運動形態の変化と言う点から考察すると、一つのQ構造にトラップされて格子振動をする分子が、遷移状態を越えて色々なQ構造を渡り歩く大振幅振動に変化する現象と理解できる。このような意味で、分子クラスターの融解現象は遷移状態や反応経路によって特徴付けられる化学反応の一種とみなす事ができる。本研究では、このように分子クラスターの融解現象を沢山の遷移状態や生成物のある複雑な化学反応と考え、その反応経路や遷移状態の特定、或いはこのような考え方の妥当性の検討を行った。そのための方法論として、ポテンシャル曲面の定常点(不安定点を含む)を用いて多自由度のポテンシャル曲面の大域的な形状を記述する解析法を新たに開発し、実際のダイナミックスの軌跡をこのポテンシャル曲面の形状に射影し、融解の前後でのダイナミックスの詳細を解析を行った。解析の結果、このような融解現象を特徴付けている遷移状態がポテンシャル曲面の鞍点に代表されるような通常の遷移状態の概念とは全く異なる事が解った。更に解析を進めた結果、融解現象を特徴付ける遷移状態の概念には、ポテンシャル曲面の鞍点と鞍点を結ぶような不安定な定常点(monkey saddle point)、或いはそれらを結ぶようなより不安定な定常点が必要な事が解ってきた。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Takeshita,N.Shida: "A theoretical study on the ionization of H_2 with analysis of vibrational structure of the photoelectron spectra" Chemical Physics. (in press).

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 志田典弘: "分子クラスターの生成と崩壊のダイナミックス" サイエンス社「数理科学」. 6月号. (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 志田典弘: "小さな希ガス分子クラスターのダイナミックス" 「物性研究」複雑系研究会報告集4. (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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