研究課題/領域番号 |
07240217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
戸田 幹人 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70197896)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | カオス / 少数多体系 / 遷移状態 / 前期解離 / ファンデルワールスクラスター |
研究概要 |
一般に遷移状態は、単にエネルギー障壁であるのみならず、相空間における動力学的な意味での障壁・ボトルネックである。このような意味での遷移状態の概念を、初めて具体的に提案したのはDavisとGrayである。彼らの基本的なアイデアは、遷移状態をセパラトリックスとして理解するというものである。地方で、Davisらの議論が単純には拡張できない場合もある。それは、安定多様体と不安定多様体が交差から非交差に変わるとき(ホモクリニック多様体の消失)である。そのような場合は、3自由度以上の系では一般に見られ得るし、2自由度系においてもパラメータに依存する場合に起こり得る。この時その前後において、相空間のつながり方・カオスに関与する自由度の数など、系の動力学的な性質が転移する。この現象はGrebogiらによってcrisisと名付けられ、主に散逸系のカオスを対象に研究されてきたが、ハミルトン系における研究はまだほとんどい。本研究では、安定多様体と不安定多様体の交差・非交差が系のダイナミックスにどのような転移を生じるかを古典論・量子論の両面から調べ、それを通じてcrisisという現象が反応過程論において持つ意味を考察した。 具体例として計算したのは、He-I_2である。量子波束の時間発展を調べることにより、crisisにともなう反応経路の分岐が、波束の分裂という現象として現れることを見い出した。これら異なる経路をたどる部分は、異なる時間スケール・終状態をもって解離していく。このように一般にcrisisを経る反応過程では、複数の時間スケール・反応経路が関与するので、多指数的あるいは非指数的な現象が見られる。また、crisisの起こる場所を変えることができれば、それを用いた反応過程の制御も可能性がある。このように、crisisというメカニズムは、化学反応にとって重要な役割を持っていることが考えられる。
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