研究課題/領域番号 |
07240220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中原 勝 京都大学, 化学研究所, 教授 (20025480)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | NMR / 硝酸イオン / 水 / 誘電摩擦 / 回転相関時間 / 疎水性水和 / ダイナミクス / 過冷却 |
研究概要 |
高分解能NMR装置を使って、溶液中の硝酸イオンの回転摩擦係数を水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、プロパノール中で、凝固点から沸点までの広い範囲で研究し、連続媒体モデルに基づくHubbard-Onsagerの誘電摩擦理論と比較し、モデルの信頼性の範囲と限界を明確にした。連続体モデルで考慮されていないイオン内の電荷分布とこれに応答する溶媒分子の原子サイト上の部分電荷との静電的相互作用の役割が大きいことを明らかにした。 中性・無極性のベンゼン分子と極性の水分子の回転摩擦係数に対応するτ_<2R>の研究を行い、溶解度が低いために実験が困難と考えられていた疎水性水和のダイナミクスについての研究を実現した。次の点を明らかにした。(1)ベンゼン分子のτ_<2R>は-20℃付近でジャンプして約1/3に低下する。(2)-20℃から-50℃の相はベンゼンのclathrate hydrateと考えられる。(3)ゆらぎの大きい溶液の水和殻中でのベンゼンの回転の活性化エネルギーは温度の低下とともに増大するが、clathrate hydrateの相では約半分程度に低下する。(4) Arrheniusプロットは純水のものと約15℃付近で交差し、低温領域でより大きなベンゼン分子の回転がより小さな水分子より回転し易くなる。(5)水和殻中の水に対して正のB_τが求まり、これは疎水性分子のまわりの水の構造のenhancementを明確に示す。(6)-18℃の過冷却領域では、水和殻中の水分子の回転相関時間はバルクの値の約4倍に達し、過冷却を利用した研究によって疎水性分子のまわりの水の構造化が事実起こっていること確認することができた。溶質の疎水性による水の再構造化による安定化は疑いの余地がない。
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