研究概要 |
平成7年度の研究で以下の結果を得た. 1.局所化学反応を利用した生体分子微細構造の構築 SECMの探針であるマイクロ電極でハライドイオンを電極酸化することにより活性反応種を生成させ,ガラス基板上に酸化還元酵素の一種であるジアフォラーゼの固定化微細パターンを作製した. 2.走査型キャピラリ/SECMを利用した酵素微細パターンの作製と評価 SECMの探針部に,ジアフォラーゼ溶液を充填したガラスキャピラリーを装着し,グルタルアルデヒドで活性化したガラス基板上を走査することにより,酵素マイクロパターンを作製した.この基板をNADH/Ferrocenyl metanol溶液に浸漬し,固定化酵素の触媒反応の選出に基づくSECM観測を行なったところ,明確なパターン生成を確認した. 3.走査型キャピラリ/SECMを利用した抗原-抗体微細パターンの作製と評価 キャピラリ中に癌胎児性抗原(CEA)溶液を充填し,抗CEA抗体を被覆したガラス基板上を走査することにより,マイクロパターンを形成した.次いで,あらかじめ抗CEA抗体を表面に吸着させたマイクロビーズを分散させると,抗原-抗体反応によりビーズがパターンに沿って配列することが確認された. 4.走査型キャピラリ/SECMを利用した抗原-抗体マイクロスポットの作製と評価 上記と同様の手法により,ガラス基板上にCEAをマイクロスポットし,ペルオキシダーゼ(HRP)標識抗体溶液に浸漬した.この基板を,H_2O_2/FMA溶液に浸漬し,SECM観測した.1万個程度のCEA分子を検出できた.
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