研究課題/領域番号 |
07241208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
赤木 和夫 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (20150964)
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研究分担者 |
白川 英樹 筑波大学, 物質工学系, 教授 (40016720)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 導電性高分子 / 液晶高分子 / ポリアセチレン誘導体 / ポリチオフェン誘導体 / 自発配向 / 磁場配向 / 配向制御 / 電気伝導度 |
研究概要 |
本研究では、側鎖に液晶性置換基を導入して、導電性の高分子液晶を合成し、これまでにない特性をもった新しい機能性高分子を開発した。具体的には、次に述べる二つの系について、導電性側鎖型高分子液晶を合成し、その液晶性と導電性を評価、検討した。 [1]ポリアセチレン誘導体:フェニルシクロヘキサン(PCH)系およびビフェニル(BP)系液晶基を有するアセチレン誘導体モノマーを合成し、これをチグラー・ナッタ触媒あるいはメタセシス触媒で化学重合することにより、液晶基を側鎖にもつ可溶性かつ可融性の一置換ポリアセチレンを合成した。偏光顕微鏡観察と示差走査熱量計の測定を通じて、合成したポリマーはスメクチック液晶相を発現することを明かにした。次に、剪断応力あるいは外部磁場の印加により液晶性側鎖を配向させ、ひいてはポリエン主鎖を配向させることで、巨視的に液晶ドメインが一方向に配向したモノドメイン構造を構築した。有機溶媒からキャストしたポリマーの薄膜を作り、磁場配向したフィルムにヨウ素ド-ピングを施し電機伝導度の測定を行った。その結果、電気的異方性の確認と共に、配向方向の伝導度が最大2桁上昇する結果を得た。さらに、溶融^<13>C-NMRの測定を通じて、等方相のみならず液晶相での当該ポリマーの磁場配向挙動と秩序度を明かにした。 [2]ポリチオフェン誘導体:3位をPCH系液晶基で置換したチオフェン誘導体モノマーを合成し、さらに、チオフェン環の2、5位の水素を臭素で置換し、これを脱ハロゲン化縮重合することにより、可溶性、可融性のポリチオフェン誘導体の合成を行った。偏光顕微鏡観察および示差走査熱量計による測定を通じて、このポリチオフェン誘導体はネマティック液晶を示すことを確認した。 以上、本研究により、液晶性置換基を側鎖に導入することで、電場や磁場などの外力で共役系主鎖の分子配向を制御することが可能となり、2桁以上の導電性の向上も達成できた。導電性と液晶性を併せもつ導電性高分子液晶は、今後、電気的および光学的見地から様々な応用が期待できる。
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