研究課題/領域番号 |
07241221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
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研究分担者 |
中村 徳幸 東京農工大学, 工学部, 講師 (20198229)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 磁性細菌 / 磁気超微粒子 / リポソーム / 脂質二重膜 / 蛍光色素 / 磁気誘導 / 機能性複合 |
研究概要 |
自然界には磁気超微粒子-細胞複合体として、ユニークな構造をもつ磁性細菌が存在している。磁性細菌由来の磁気超微粒子は、脂質二重膜に覆われた粒径50〜100nmのマグネタイト粒子であり、分散性に優れているといった特徴を有している。すでに、この磁気超微粒子に酵素、抗体、DNA等を固定化し、機能性複合体の作製とハイブリット化に関する研究を進めている。また、磁気超微粒子と蛍光色素をリポソームに導入し、外部から振動磁場を与えると蛍光色素が放出されることを見いだした。そこで、本研究では磁気により誘導可能な抗ガン剤を封入した磁気超微粒子-リポソーム複合体の作製と放出制御、培養細胞系での抗腫瘍効果の確認、生体内での磁気誘導の評価を目的として研究を進めた。 逆相蒸発法によりリポソームを作製する系に、磁気超微粒子を分散させ、磁気超微粒子-リポソーム複合体の作製について検討した。評価は電子顕微鏡による観察、粒度分布計による粒径の測定、磁気超微粒子-リポソーム複合体を作製する際にプローブとして内部に封入した蛍光色素の蛍光測定等により行った。その結果、人工磁気微粒子(マグネタイト)に比べ、磁性細菌の磁気超微粒子を用いることで、より均一な磁気超微粒子-リポソーム複合体を作製することが可能となった。さらに、作製した磁気超微粒子-リポソーム複合体について磁気超微粒子含有量、内容量、保存安定性についての検討を進めている。さらに、外部磁場による磁気超微粒子-リポソーム複合体からの薬剤の放出について行った。この結果、外部から振動磁場を与えるとリポソーム内部に含まれる薬剤の放出が可能になった。以上のことから、磁気超微粒子-リポソーム複合体の作製が可能になり、薬剤の放出に関しても基礎的知見が得られている。今後は、磁気誘導ならびに薬剤の放出制御についての検討を行う予定である。
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