研究課題/領域番号 |
07241237
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山岡 仁史 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026004)
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研究分担者 |
松岡 秀樹 京都大学, 工学研究科, 助手 (40165783)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | エバネッセント波 / ラテックス / 光散乱顕微鏡 / 界面 / 相互作用ポテンシャル |
研究概要 |
屈折率の異なる2物質の界面で光が全反射する際に界面を越えてしみ出る「エバネッセント波」を利用すると、界面近傍のみの情報を抽出することが可能となる。本研究においては、顕微鏡の試料台部分にエバネッセント用台形プリズムを設置し、側面から入射したレーザー光をプリズムの上面で全反射させることにより、試料分散液中にエバネッセント波が発生する装置を製作した。これを用い、ポリスチレンラテックスの分散液系においてガラス界面に存在する一粒子のみを顕微鏡下に捕らえることによって、エバネッセント波の照射を受けたラテックスの単一粒子からの散乱光を精度よく測定できることが確かめられ、本研究の目的の第一段階であるエバネッセント波光散乱顕微鏡(EVLSM)装置の試作に成功したことが確認された。さらに、この系における添加塩の濃度依存性を測定し、塩濃度が増加するにつれて、散乱光の強度と頻度がともに増大し、散乱光強度のゆらぎが激しくなることを観測した。これは、塩濃度の増加にともなう静電相互作用の謝蔽によりポテンシャルミニマムが浅くなり、粒子の運動が激しくなったことを反映しているものである。このようにEVLSM法は、界面と粒子間の相互作用ポテンシャルを直接的に評価することのできる優れた測定手法であることが確認された。今後は、EVLSM装置の測定精度をさらに向上させること、さらに、測定時間の間隔を短縮することによって粒子運動のダイナミクスをより厳密に評価する方法を確立することを計画している。
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