研究課題/領域番号 |
07241239
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中條 善樹 京都大学, 工学研究科, 教授 (70144128)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 有機-無機ポリマーハイブリッド / ポリオキサゾリン / ゾル-ゲル法 / シリカゲル / 水素結合 / 水ガラス / 多孔質シリカ / 多孔質ハイブリッド |
研究概要 |
本研究では、分子系素構造として有機高分子と無機マトリックスをとりあげ、これら異種の素構造を分子レベルで組み合わせて、新しいし機能を発現するハイブリッド型の分子系超構造を構築することを目的として研究を進めた。 まず、有機成分として、ポリオキサゾリンなどのアミド基を繰り返し単位とするものの他、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタンについても、それぞれテトラアルコキシシランのゾル-ゲル反応に共存させることにより、条件を適当に選べは透明均一なポリマーハイブリッドが得られることがわかった。また、シュークロース、リグニン、キトサンなどの天然有機資源を用いても、その水酸基をイソシアネートでウレタン基に変換することにより、均一なハイブリッドが得られた。さらに、無機成分の出発原料として、天然鉱物資源である水ガラスを利用することも可能であり、ポリオキサゾリンやウレタン化キトサンとの対応するポリマーハイブリッドを合成することができた。 また、二種類の有機高分子を有機成分として用いたところ、シリカゲルとのいわゆる三元系のポリマーハイブリッドを得ることができた。二種類の有機成分がシリカゲルマトリックスのシラノール残基との水素結合による相互作用の強さが異なることを利用して、一方の有機成分のみを選択的に抽出することに成功した。例えば、ポリオキサゾリン-ポリビニルピロリドン-シリカゲルの三元ポリマーハイブリッドをメタノールで抽出したところ、ポリオキサゾリンのみが選択的に除かれ、結果として、半径1-2nmの細孔を有する多孔質ハイブリッド(ポリビニルピロリドン-シリカゲル)が得られた。 さらに、ハイブリッドの合成の際、第三の成分として塩化リチウムや塩化カルシウムなどの金属塩、塩化銅や塩化ニッケルなどの遷移金属塩を添加したところ、金属塩が均一に分散したハイブリッドが得られた。これらハイブリッド中の金属塩は、抽出を行っても溶離することはなかった。この遷移金属含有ハイブリッドを過熱焼成すると、有機高分子部分のみが除かれ、遷移金属が高分散した多孔質シリカゲルが得られた。
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