研究課題/領域番号 |
07241247
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
篠原 寛明 岡山大学, 工学部, 助教授 (60178887)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 配向集積化 / リン酸基化合物 / 金属酸化物表面 / フラビン補酵素 / TiO_2薄膜電極 / 界面電子移動 |
研究概要 |
本年度は酸化還元酵素の活性部位として重要なリン酸基化合物であるフラビン補酵素分子の金属酸化物表面における配向集積化と界面電子移動能について詳しい特性検討を行い、次のような成果を得ることができた。 (1)フラビン補酵素のTiO_2をはじめとする金属酸化物への吸着特性の検討 種々の金属酸化物微粉末へのFMN、FAD、リボフラビンの吸着について吸着時の平衡濃度と吸着量の関係やpH依存性を調べた。その結果例えばアナタ-ス型TiO_2微粉末では、フラビン補酵素がリン酸基部位で配向して単分子層吸着することを示した。またルチル型TiO_2、Al_2O_3などでもフラビン補酵素の配向吸着を示唆する結果を得た。これらの金属酸化物表面にフラビン補酵素が配向吸着することを見い出し、特性を明らかにしたのは本研究が最初である。 (2)TiO_2薄膜電極へのフラビン補酵素の配向集積化と界面電子移動特性の検討 Ti基板を大気酸化、湿式酸化あるいは陽極酸化する方法およびSnO_2蒸着ガラス基板上にゾル-ゲル法でTiO_2薄膜を形成させる方法を用いてTiO_2薄膜電極を作製した。この電極表面にフラビン補酵素を吸着させ、サイクリックボルタンメトリー法によって電極基板と吸着した補酵素との間の電子移動について検討した。ゾル-ゲル法、大気酸化法、湿式酸化法で作製したTiO_2薄膜上にFMNを吸着させた電極では、このフラビン補酵素とTiO_2との間で可逆的な界面電子移動が可能であり、吸着したフラビン補酵素の酸化還元状態を電位制御できることを明らかにできた。またその電子移動速度の解析からやはり補酵素のリン酸基部位での配向集積化を支持する結果を得ることができた。
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