研究課題/領域番号 |
07241250
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
新海 征治 九州大学, 工学部, 教授 (20038045)
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研究分担者 |
池田 篤志 九州大学, 工学部, 助手 (90274505)
竹内 正之 九州大学, 工学部, 助手 (70264083)
浜地 格 九州大学, 工学部, 助教授 (90202259)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 糖質 / ボロン酸 / センシング / 高次組織体 / 機能性糖質誘導体 / ポルフィリン / アミノ酸 / ヘリックス-コイル転移 |
研究概要 |
本年度は、糖質による三次元的な会合形態の制御を目的として両親媒性ポルフィリンを分子設計、合成した。両親媒性ポルフィリンが糖を含むpH10の水溶液中で会合体を形成することを紫外可視吸収スペクトル、示唆走査型熱量計による相転移温度測定および動的光散乱測定により確認した。さらに、糖質存在下における会合体のキラリティーについてCDスペクトルにより検討した。その結果、全ての糖質に関して会合形態のキラリティーは、糖質の2位の水酸基の空間配置を反映した。また透過型電子顕微鏡(TEM)による会合形態を検討したところ、加えた糖質により繊維状あるいはベシクル状の会合形態を形成することが確認され、繊維状の会合体の幅は約10nmであった。CPK分子モデルによる化合物の長軸方向は4.2nmであることから、face-to-face型かつ単分子膜状の会合形態をしているものと思われる。つまり、両親媒性ポルフィリンはnontoxicな糖質の種類を変えるだけで糖質の構造を反映した会合形態および会合体のキラリティーの発現という化学的操作が可能な分子集合体として機能することが示された。 さらに、ポリ(L-又はD-リジン)の側鎖にフェニルボロン酸を修飾した糖応答性ポリペプチドを合成し、その機能について検討を行なった。糖応答性ポリペプチドのヘリックス-コイル転位をCDスペクトルによって検討した結果、糖心応答性ポリペプチドの電荷や親水性-疎水性のバランスを糖によりコントロールすることによって、酸性領域でもα-ヘリックス構造の形成が可能であることが示された。また、糖応答性ポリペプチド-糖複合体はポリアニオンとなり、カチオン性シアニン色素と静電的に相互作用し、糖の添加に伴い色素の会合が誘発された。このことを利用して糖の存在を色の変化として読み出すことに成功した。この系は、糖を加えることによって水色から赤紫色へと溶液の色が徐々に変化し、肉眼で糖の濃度変化を検知することができる点が特徴である。
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