研究課題/領域番号 |
07242215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平尾 公彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70093169)
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研究分担者 |
中野 晴之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90251363)
山下 晃一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40175659)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Pt表面反応 / 密度汎関数法(DFT) / シクロヘキサン / 脱水素反応機構 / ゼオライト / 分子動力学プログラム / Ab initio分子軌道法 / 触媒設計 |
研究概要 |
本年度は、表面反応のような無限系を含む現象を記述する実用的かつ信頼性のある方法として触媒反応のための新しい密度汎関数法(DFT)の開発を行い、ab initio分子軌道法を併用してPt表面でのシクロヘキサンの脱水素反応機構の理論的研究を行った。従来のDFTでは励起状態を取り扱うことができず、化学反応への適用は困難であった。われわれは多配置波動関数に基づくDFTを開発し、量子化学プログラムGAMESSにコードを組み込んだ。テスト計算でCI法など他の高精度な計算法と比較しうることを確認し、Pt表面の問題に適用した。Pt表面での脱水素反応では、いったん表面に分子吸着したシクロヘキサンが安定な中間体を経てベンゼンが生成することが実験的に知られており、その中間体はC_6H_9の組成でPt表面に強く結合していることがわかっている。その構造については、椅子型コンホメーションを保ったままシクロヘキサンから3つのaxialHが抜けた構造と、炭素環の片側の3つの炭素からHが1つずつ抜けてπ電子系を形成している構造が考えられているが、最初の構造について炭素環が椅子型から平面型構造に変わっていく様子をRHF,DFTにより計算したところ、RHF計算では反発型のポテンシャルカーブが得られたが、DFT計算ではポテンシャルの山を越えた後に安定化することがわかった。今後はさらにベンゼン生成過程を調べるとともに、Pt原子数個からなるクラスターを表面に代用させた計算を行ってPt触媒の効果を調べる。並行して、ゼオライトの選別的分子吸着機能等の特性を評価するために、触媒設計に向けた分子動力学プログラムの開発を行っている。力場としては河村らの開発したものを用い、比較的大きな構造単位を扱うために高速化を目指した設計を行っている。
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