研究課題/領域番号 |
07242226
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
加部 利明 東京農工大学, 工学部, 教授 (50092482)
|
研究分担者 |
神戸 政純 東京農工大学, 工学部, 助手 (80262244)
石原 篤 東京農工大学, 工学部, 講師 (60212908)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 触媒 / 脱硫 / ルテニウム / カルボニル錯体 / ラジオアイソトープトレーサー法 / 水素化 / アルカリ金属 / 硫化水素 |
研究概要 |
アニオン性のモリブデン及びルテニウムカルボニル錯体をアルミナに担持して調製した触媒がジベンゾチオフェン(DBT)の水素化脱硫反応(HDS)において、従来の触媒より高活性を有する。その中で、アニオン性のルテニウムカルボニル錯体のカチオンをアルカリ金属にした場合に触媒活性が著しく向上する。本研究では、このルテニウム触媒の挙動に着目し、^<35>Sでラベルしたジベンゾチオフェン(^<35>S-DBT)の水素化脱硫反応を行い、作動状態での触媒中の硫黄の挙動を追跡することにより、担持ルテニウムカルボニル-アルカリ金属系触媒の脱硫反応特性について詳しく検討した。アニオン性のルテニウムカルボニル錯体はRu_3(CO)_<12>とアルカリ金属水酸化物との反応により調製した。反応には固定床流通式高圧反応装置を用い、反応温度、280-320℃、圧力 50kg/cm^2、WHSV 14h^<-1>、H_2ガス流量181/h、DBT濃度1wt%(溶媒デカリン)、Ru8wt%の条件下で行った。操作手順は:反応前に300℃で3%H_2S-H_2混合ガスを用い、3時間予備硫化を行い、a)まず^<32>S-DBT1wt%を含むデカリン溶液で3-4時間反応させた後、b)転化率が安定したところで素早く^<32>S-DBT1wt%を含むデカリン溶液に切り替え、約7時間反応を行い、c)再び^<32>S-DBT1wt%を含むデカリン溶液に切り替え7-8h反応を行った。液体生成物はガスクロで分析した。未反応の^<32>S-DBTと生成した^<35>S-H_2Sの放射能量は液体シンチレーションカウンターで測定した。その結果、アルカリ金属の添加は触媒上の移動可能な硫黄量を増加させたが、触媒からの^<35>S-H_2Sの放出速度を低下させた。アルカリ金属は水素高圧下においてもルテニウム-硫黄結合を安定化することにより触媒活性を向上させていることが予想された。しかし、過剰の添加はルテニウム-硫黄結合が強くなりすぎ、H_2Sとして硫黄が放出されず、活性なサイトができないため活性が低下するものと考えられる。
|