研究課題/領域番号 |
07242240
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 一彦 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90202093)
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研究分担者 |
野依 良治 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50022554)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 30%過酸化水素水 / 実用的エポキシ化 / ヘテロポリ酸触媒 |
研究概要 |
申請者は30%過酸化水素水を用いるオレフィンのエポシキ化を検討した結果、触媒量のタングステン酸ナトリウム、4級アンモニウム硫酸水素塩からなる系にα-アミノホスホン酸を添加することにより飛躍的に反応性が向上することを見い出した。この触媒系は過酸化水素水を用いるエポキシ化反応において、現在知られている触媒のうちで最高の活性を示すことを明らかにした。この反応は既存のエポキシ化反応では必須であった、環境および人体に有害な塩素化合物をまったく使用しない。さらに一切の有機溶媒は不要であり、反応後有機相を分離して蒸留するだけで対応するエポキシドを高収率で得ることができる。反応後の水相は、4級アンモニウム硫酸水素塩と30%過酸化水素水を加えることでそのまま再使用することができる。反応性の低い末端オレフィンの場合でも、100gの1-ドデセンから蒸留による単離収率87.2%で対応するエポキシドを得ることができる。1モルのオレフィンをエポキシ化するのに必要なコストは350円以下であり、実験室で広く用いられているm-CPBAによるエポキシ化の100分の1程度である。単純オレフィンのエポキシ化では、1置換から4置換オレフィンまでほぼ定量的に反応が進行する。分子内にエステルやケトンなどの官能基が存在しても90%以上の収率で対応するエポキシドを得ることができる。アリルアルコールは特に反応性が高く、室温以下でほぼ定量的にオレフィン部位だけが酸化される。本反応は安全性が高く、操作が簡便であり、コストが安く、環境に対する適応性が高いきわめて実用的な反応である。
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