研究課題/領域番号 |
07242242
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中井 浩巳 京都大学, 工学研究科, 助手 (00243056)
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研究分担者 |
中辻 博 京都大学, 工学研究科, 教授 (90026211)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 理論触媒設計 / 銀触媒 / SAC-CI法 / 分子軌道法 / Dipped Adcluster Model(DAM) / エポキシ化反応 / スーパーオキソ種 / 面依存性 |
研究概要 |
本研究では、いくつかの固体触媒反応に対して理論的な手法を用いてその触媒作用を解明し、その結果に基づいて触媒設計の指針を理論的研究から与えることを目的とした。ここでは、このような目的で行った研究のうち、エチレンのエポキシ化反応に対する銀の触媒作用に関する研究を報告する。 (1)エポキシ化反応の電子的メカニズム 銀は、エチレンを部分酸化してエチレンオキサイドを生成する唯一高活性で高選択的な触媒である。しかし、この反応に有効な酸素種が何であるかさえ未だ明らかでない。本研究では、エチレンのエポキシ化および燃焼反応両方のメスニズムを解明し、それぞれの活性酸素種は何であるのかを検討した。その結果、分子状吸着酸素は選択的にエチレンオキサイドを生成し、原子状吸着酸素は両方を導くことがわかった。これにより、実験的に示唆されていた選択率の上限(85.7%)は存在しないことになり、理想的には100%の選択率を持つ触媒設計が可能であることがわかった。 (2)銅および金触媒の可能性 上記の研究から、エポキシ化反応には酸素の解離能の小さい表面が、触媒として有利であることがわかる。つまり、d電子が不活性な金属表面の方が有利である。そこで本研究では、銀と同族の銅および金表面におけるエポキシ化反応を理論的に検討した。その結果、いずれの表面上のスーパーオキソ種も銀表面のものと類似の反応性が示された。しかし、スーパーオキソ種の安定性に違いが見られ、この点を改良すれば銅および金でも触媒と成り得ることがわかった。 (3)Ag (111)面とAg (110)面における触媒活性 銀触媒の選択性に対する面依存性を調べるために、Ag (111)面とAg (110)面上における酸素活性化の比較を行った。その結果、解離のバリアに大きな差が現れ、Ag (110)面の方が解離吸着を導きやすいことが示された。このため、Ag (110)面では高選択性を示すスーパーオキソ種の相対安全性が減少する。この差が選択性に対する面依存性に対する面依存性の起源である。
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