研究概要 |
1.表面修飾された超微結晶作製法の確立 有機溶媒中でCdS、2nS,TiO_2などの粒径、結晶系が制御された半導体超微結晶を調製し、ついで微結晶表面に活性金属(Ru,Pt,Rh,In,Au,Ag)サイトの導入を試みた。担持法としては金属塩溶液を用いた含浸法、光照射による光還元法、さらに直接担持法等を検討し、金属の価数を制御可能な担持法を開発した。 2.光学特性の分光学的検討 上記で調製した種々の超微結晶の光学特性を各種分光法(UV,ESR,発電光スペクトル、時間分解蛍光分光/いずれも現有設備)により詳細に検討し、そのバルクの性質、表面の幾何学的構造、電子的構造について解析を行い、担持金属サイトが及ぼす半導体微結晶への物性への影響を検討した。担持金属の定量定性には光分子光法を用い、担持状態での電子状態の特徴を明らかとした。 3.光触媒反応と超微結晶の物性との相関の検討 上記の微粒子を用いてCO_2ならにびプロトン光還元反応における反応生成物の時間に依存した定量、定性ならびに量子効率の波長依存性などを詳細に検討した。上記の担持法を用いることにより光触媒活性を向上させることに成功した。担持金属の種類、担持法を変化させることにより、触媒反応選択性の制御にも成功した。分光計測の結果より得た構造および基礎物性に関する情報と上記反応の実験結果を総合して検討することにより光還元触媒機能向上のための超微結晶の幾何学構造・電子構造、表面修飾分子の必要十分条件を明らかとした。
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