研究概要 |
1.ウロコ鉄鉱型構造を有するイオン交換性層状結晶Rb_xMn_xTi_<2-x>O_4をホスト層とする層間架橋を行った.層間に存在するRbイオンを側鎖の長さの異なる種々のアルキルアンモニウムイオンで交換して,層間を拡げた後,ケイ酸テトラエチルを反応させ,加熱処理して層間にシリカ架橋を築くことに成功した. 2.得られた層間架橋体は600℃まで500〜750m^2g^<-1>の高い比表面積を示し,ミクロポア多孔体に特徴的なLangmuir型吸着曲線を示した.また.吸脱着曲線にはほとんどヒステリシスがなく,細孔はゼオライトのように均質であることがわかった. 3.種々の溶媒蒸気の吸着特性の比較から,シリカ架橋多孔体は疎水性を有すること,層間の細孔に分子ふるい機能があることがわかった. 4.Rb_xMn_xTi_<2-x>O_4中のMn^<3+>はKMnO_4でMn^<4+>に酸化され,約90%のRbイオンを除いたホスト層を導くことがわかった.また.Mn^<3+>,Mn^<4+>の混合原子価を有する層状結晶についてもシリカによる層間架橋が可能なことを明らかにした. 5.得られたシリカ架橋層状チタン酸塩ミクロ多孔体の光触媒特性を調べた.H_2OあるいはH_2O+CH_3OHと多孔体の懸濁液に高圧水銀灯(440W)で光照射すると水素が定常的に発生することがわかった. シリカ架橋層状チタン酸塩ミクロ多孔体は300〜400℃以上でアンモニアの酸素酸化に高い活性を示した.また,ほぼ100%の選択率で窒素が生成することを見出した.一方,層間架橋を施していない試料では反応は500℃においてさえ進行せず,層間が触媒反応場として利用されていることがわかった.
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