研究課題/領域番号 |
07244106
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今泉 敏 東京大学, 医学部(医), 助教授 (80122018)
|
研究分担者 |
世木 秀明 千葉工業大学, 情報工学科, 講師 (60226636)
林 安紀子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70238096)
伊藤 秀美 東北大学, 歯学部, 講師 (50005104)
志村 洋子 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (60134326)
桐谷 滋 東京大学, 医学部, 教授 (90010032)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1995年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
|
キーワード | 人工現実 / 脳機能 / 聴覚的情影分析 / 視聴覚総合機能 / McGurk効果 / 学習 / 概念形成 / 言語獲得 |
研究概要 |
人工現実感技術や脳機能観測・解析技術の適切な活用は、視聴覚モダリティによるコミュニケーション機能の解析や概念形成・学習に関する脳機能の解析にも強力な手法となる得る。そこで本研究では、競合雑音下での音声言語信号の聴覚的検出・統合過程と、McGurk効果に代表される視聴覚情報の統合過程を脳磁図を用いて解析し、その結果から視聴覚コミュニケーションの脳内過程の解析と障害者訓練システムの開発の可能性を考察した。 単語音声とそれに重畳するクリック音が聴覚系でどのように処理されるかを調べた実験では、左右半球とも言語音声の背景に重畳して聞こえるクリック音に対する脳磁界Nlmd成分は重畳しない音に対して有意に聴覚野の内側に変移した。このことは、重畳音に対する脳内表現が部分的に異なるニューロン群の関与による空間的位置の違いに関連していることを示唆する。左半球で課題、測定対象とも有意な効果を示したこと、無視課題下の方が音声計数課題、クリック計数課題より有意にNlm成分が小さいことなどは、左半球のNlm成分生成機構における注意依存性、トップダウン処理の影響を示唆するものと思われる。 次にMcGurk効果の脳内過程を考察するために、AbVg(聴覚信号Aが/ba/で視覚信号Vが/ga/)、AbVb、AdVdの3種類の刺激を用いて、一つを高頻度標準刺激、他の2個を低頻度比較刺激としてランダムに繰り返し呈示し、10名の被験者の左側頭葉から低頻度比較刺の検出に伴う脳磁図、ミスマッチ脳磁界(MMF)を測定した。その結果、ミスマッチ脳磁界は主として聴覚情報に依存すること、視聴覚情報の統合の主要な部分はミスマッチ磁界が生成されるよりも高次の段階で生じる可能性が示唆された。 音ストリームの選択・統合が聴覚情報処理の比較的初期の段階で行われ、視覚情報との本格的な統合はそれよりさらに高次かあるいは並列的な別の機構で行われるものと推察された。
|