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昆虫の飛翔メカニズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 07245207
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

河内 啓二  東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (60143400)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード昆虫 / 飛行力学 / トンボ / はばたき運動 / 制御
研究概要

トンボのモーターニューロンを染色し、詳細に観察した。その結果、胸部ガングリオンからはばたき飛翔筋までの神経系は極めて複雑で、多くの神経情報を処理統合して、はばたき運動を行っていることが明らかになってきた。今後はセンサー系からの信号ループがどう連なっているかを調べる必要がある。一方、はばたき運動の外見の観察からは多くの事が明らかになってきている。トンボの翅は付け根において、胴体と一枚の翅につき2つの関節で結合されており、1つづつの関節に最低一対のはばたき飛翔筋が備わっている。左右前後の翅を合わせると、1匹のトンボで計8対(16本)以上のはばたき飛翔筋が見い出せ、それに加えて制御用と思われる筋肉が多数存在する。それぞれの筋肉が上記のモーターニューロンで制御されており、飛行に要する情報量は膨大なものとなっており、この情報処理の課程が、昆虫の知能を解くキ-ポイントである。トンボの翅は、はばたき運動で生ずる慣性力や空気力に比べて極めて剛く、殆ど弾性変形を利用しないではばたき運動を行なう。従って、打ちおろしと打ちあげの空気力の差は、殆どが翅の捩り制御によって行われ、この運動の1つ1つの筋肉によって正確かつ意図的にに行われていることが明らかになってきた。これに対して、蝶のような低アスペクト比の翅を使う昆虫は、翅の捩り制御が構造的に大きくできず、低速において捩り制御だけでは、必要なだけの制御を行なうことができない。その結果、胴体も翅と一緒にピッチング運動させ、大きな迎角の変化を実現させている。蝶が外から観察するとヒラヒラと飛んでいるように見えるのは、翼面荷重が極めて小さく加速度運動に優れていることに加えて、上記の制御方法をとっているからである。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 大貫武: "昆虫に学ぶマイクロメカニックス" 応用物理. 64. 822-825 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] L.Zeng: "Two-dimensional,non-contact measurement of natural frequencies of dragonfly wings using a quardrant position senseo" J.of Optical Engineering. 34. 1226-1231 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] K.Okada: "Optimal recording with voltage-sensitive dye in an insect brain" Proc.of 4th International Congress of Neuroethology. 390-390 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 河内啓二: "昆虫の飛翔メカニズム-トンボの飛行制御-" 知能ロボットシンポジウム予稿集. 1. 183-186 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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