研究概要 |
実環境,特に環境変化が頻繁な屋外環境において行動する自律移動ロボットを実現することは容易ではない.その主な理由は,様々な事象に対して適切に注意を切り替え情報を収集する注意制御に関する解決策を持たないことである. この問題に対する,我々のアイデアは,環境側にも情報処理機能をもたせようといすものである.すなわち,環境側にも情報処理能力を持つエージェントを多数配置し,様々な問題解決に適した視点からの情報を獲得させるのである.環境側のエージェントは,1つの体を持つ自律知能ロボットのように構造的制約は強くない.それ故,必要な大きさのまた必要な数だけのセンサを取り付けることが可能である. このシステムを我々は分散視覚システムと呼ぶ.この分散視覚システムを構成する各エージェントは,“ロボットのタスクは局所的な環境と密接に関係する"という概念の基に設計される.本研究では,この分散視覚システムを製作し,そのエージェントの情報支援の基,移動ロボットが屋外環境において能動的視覚探索を実現するための基本問題について考察した. その基本問題として,(1)視覚エージェントの相対的な位置決め.(2)複数の視覚エージェント間での移動体の対応付け.(3)局所的な視覚エージェントの組織化.(3)全体的な視覚エージェントの組織化の4つについて考察し,特に(1)と(2)の問題に関して実際に実験を行った. また備品として購入したパーソナルコンピュータは,エージェントの情報処理機能実現に用いた.
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