研究概要 |
ロボットのハンド・指による物体操作過程において,3次元的な物体にはその位置・姿勢が存在するので,物体への視線や操作方向の変化は,視覚,触覚センサより取得される視覚像(画像)ならびに触覚像が変化する.これらの像は物体の「様相」を表現するもので,両者の統合化は新たな物体の表現,識別機能を与える. そこで,本研究では指の触覚センサを用いた触覚センシングの側面よりこの問題を考えて,平行2本指ハンドのある操作方向より物体把握を行って取得される触覚像について注目を行った.特に,平行2本指ハンドによって物体を把持して触覚像を取得し,物体の形状ならびに把持状態の検出と把持物体に作用する外力の大きさ,作用点の識別手法を確立した. 触覚像は指の表面上に2次元配列として構成された触覚センサの各センサ要素によって取得されるので,センサ表面と垂直な力成分そしてセンサ表面上の2本の座標軸回りのモーメント成分からなる合計3軸成分が計測可能であることを示した.また,この3軸成分の符号と把持物体の幾何情報を用いたハンドの動作によって,外力の力成分と作用点位置の6軸成分を把持物体が直方体となるとき,これを一意に決定するロボット動作生成アルゴリズムを提案した. 本手法は従来力覚センサを用いて行われる検出を触覚センサによって同様のことが可能となり,触覚センサの新たな機能が展開されるものと考えられる.
|