研究概要 |
衝撃波粒子加速機構に関し以下の研究を行った。 斜め速進衝撃波,および垂直速進衝撃波における統計的粒子加速過程について非相対論的衝撃波に対する統計加速のモンテカルロ・シミュレーションコードをを相対論的な場合に拡張した。 衝撃波ドリフト加速過程は基本的な過程であるにもかかわらず、その過程による結果を統計加速結果と分離することが困難であった。このためドリフトの効果と統計加速効果の定量的見積もりに関し議論が決着していなかった。我々は最近のGEOTAIL衛星の地球定在衝撃波の観測の中から、ドリフト加速効果を分離できる例を発見しこの議論に決着をつけることを可能にした(平成7年12月のアメリカ地球物理学連合秋の学会にて報告。論文準備中)。 これまで衝撃波による電子の加速過程については、地球付近での観測例が乏しく、実証的裏付けを欠いていた。われわれは太陽フレア起源の惑星間空間衝撃波の通過時(1994年2月21日)に電子加速の典型例が見られることを指摘し、その詳細な解析を行った。我々の結果は電子についても衝撃波統計加速理論を適用できることを示す(平成7年9月のローマ宇宙線国際会議にて発表)。 地球磁気圏尾部における遅進衝撃波による統計的粒子加速過程の可能性を検討し,粒子のエネルギースペクトル形状,加速効率、特に被加速粒子のエネルギースペクトルの上限を求めた。
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