研究課題/領域番号 |
07247213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嶺重 慎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70229780)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ブラックホール / X線天文学 / 活動銀河核 / 近接連星系 / 電子・陽電子対 |
研究概要 |
活動銀河核や、はくちょう座X1などのブラックホール候補のX線連星からの放射は、黒体放射の成分と、X線からガンマ線にまで至る、ほぼべき型の成分とからなる。前者は光学的に厚い、いわゆる標準降着円盤から放射として矛盾なく理解されるが、後者の成分はどこから、あるいはどのような機構で出ているのか、いまだ定説はない。そこでまず高エネルギー放射をする領域を、光学的に厚い円盤(またはブロック)と、光学的に薄い大気とにわけ、期待されるスペクトルを計算をした。前者から放射された軟X線は、後者における高エネルギー粒子によって逆コンプトン散乱を受けて、硬X線及びガンマ線を生み出す。このようすを、全体のエネルギー注入のうち非熱的粒子にいく部分(A)と、軟光子にいく部分(B)とに分けてその比をパラメータとし、活動銀河核やブラックホール候補星X-γ線スペクトルを計算した。この結果、活動銀河核や候補星のハードステートのスペクトルはA/B>1で、候補星のソフトステートのスペクトルはA/B<1でそれぞれ説明できることがわかった。これは前者ではコロナが、後者では円盤本体が、それぞれメインな放射領域となっていることを示す。 並行して、先にのべた様な状況を実現する降着円盤モデルとして、特にアドベクション優勢円盤をとりあげ、その構造と時間変動を研究した。この円盤は光学的に薄く高温のため観測のX-γ線をよく再現することが知られていた。さらに今回のわれわれの研究などにより、この円盤は大局的には安定だが、局所的な摂動に対しては熱不安定となる場合があることが判明し、観測のX線変動を説明する上でも非常に都合のいい円盤であることがわかった。以上の計算及びグラフ化には、本研究費により購入したグラフィックスワークステーションを使用した。
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