研究分担者 |
小柳 光正 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60205531)
石川 正俊 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40212857)
相澤 清晴 東京大学, 新領域創生科学研究科, 助教授 (20192453)
八木 哲也 九州工業大学, 情報工学科, 助教授 (50183976)
名取 研二 筑波大学, 物理工学系, 教授 (20241789)
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配分額 *注記 |
136,400千円 (直接経費: 136,400千円)
1998年度: 24,700千円 (直接経費: 24,700千円)
1997年度: 39,800千円 (直接経費: 39,800千円)
1996年度: 32,800千円 (直接経費: 32,800千円)
1995年度: 39,100千円 (直接経費: 39,100千円)
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研究概要 |
本研究では生体の構造をヒントとして,イメージセンサと並列処理装置を密結合したものを一体のものとして設計し、比較的簡単な処理を高速・並列に行うことで生体視覚のもつ瞬時応答性能の実現手法を研究した。以下の具体的成果を得た。 【ビジュアルフィードバック制御】視覚情報を即時処理し制御信号を発生するビジュアル制御を実現するために光検出器とデジタル汎用処理回路を画素毎に直結し,これらをワンチップ集積化した汎用のビジョンチップを設計・試作した。このチップは5mm角のチップ上に16×16画素を集積し,100MHz/600mWで動作する。ビジョンチップと並行し,コントローラおよびプログラミング開発環境開発を行い,システムとしてビジョンチップの動作検証を行いその有用性を確認した。 【高品位データ圧縮撮像】高品位化と通信容量制約の両立のために画像処理機能をイメージセンサの中に統合し、撮像機能を飛躍的に向上させる処理を実現した。データ圧縮では撮像面上で時間変化を監視し,情報更新が必要な画素のみを取り出すことで画像圧縮を行う動画像圧縮イメージセンサを試作検証した。読み出すべき画素データを大幅に低減することにより,一定の通信容量制約下でも高速高解像度撮像が可能なる、列並列構成128x128の画素数のイメージセンサを実現し良好に機能することを確認した。また空間的解像度を撮像対象に依存して最適化する可変サンプリング制御をおこなう64x64画素の空間可変サンプリングイメージセンサを実現し,従来のTVサンプリングから生体網膜の中心窩のような粗密サンプリングまで柔軟に実現できることを実証した。 【動体トラッキング】対象の動きを即時に検出する動きベクトル検出用に対象画像あるいはその輪郭画像を2値化しブロックマッチングを行う手法を研究し「階層化ブロックアクセスイメージセンサ」を研究開発した。このセンサーは画素ブロックをまとめてアクセスしその画素値集合の特性値を高速に取得することができ、動体のトラッキングでは時間的に連続する2フレーム間の画素値の一致度をブロック内で合計し、階層化ブロックアクセスにより,ブロックサイズによらず瞬時に1ブロックのブロックマッチングを実現している。 【順応ビジョン】生体視覚系の網膜の回路構造を模した人工網膜に順応機能を持たせてより生体網膜に近づけ,自然照明下での実時間視覚情報処理に応用することを研究し,試作一次元人工網膜デバイスによって実現性を確認した。チップは画像の空間微分および平滑化,さらに画像のエッジを実時間でとらえる機能を有する。 【微細デバイス3次元実装技術】高機能イメージセンサ必要な0.1um以下のデバイスモデルを量子効果を定量的に取り入れ明らかにした。より近い将来の集積化技術でも実用規模の解像度を得る方法として高密度3次元実装技術を研究し,イメージセンサと処理回路を3次元的に積層する手法を確立した。 以上の研究を通し2次元データ即時処理の新しいアーキテクチャを実験的に検証しその実現への筋道と可能性を明らかにすることができた。
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