研究課題/領域番号 |
07250202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 耕一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10262073)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ペプチド鎖解離因子 / 終止コドン認識 / 翻訳終結 / 翻訳伸長因子 / GTP結合性蛋白質 / リボソーム / 分子擬態 |
研究概要 |
【1】RF-3の作用機序・素過程の解明 RF-3の過剰産生・生成系を構築し、これを確立した。解離因子RF-3のリボソームに対する結合はGTPアナログで促進され、GDPでは促進されない。このことは、EF-TuやEF-Gなど、GTP結合性翻訳伸長因子と同様にリボソームに対する結合がGTP-GDPのスイッチによって行われることを示している。 【2】RF-3の機能ドメインの検索および普遍性の解明 RF-3の機能を増強する遺伝子内変異を分離し、変異部位を同定した。この領域はRF-3の2カ所にクラスターし、RF-3の機能に深くかかわる領域が示唆された。様々な原核生物由来のRF-3ホモログの検索・機能の比較解析を行い、RF-3は大腸菌だけでなく、普遍的に原核生物界に存在する分子種である可能性があることが示した。 【3】新たな翻訳終結モデル"RNA-RF mimicry hypothesisの提唱 本研究成果によりRF-3がアミノ酸配列上、他の翻訳伸長因子と相同性のある機能ドメインを保持するばかりでなく、他のtRNA-コドン認識にかかわるGTP結合性翻訳伸長因子同様のリボソーム結合モードを保持することも明らかにした。このことは終始コドン認識がセンスコドンと同様の分子基盤で行われることを想起させる。我々は、近年集積して来つつあるGTP結合性翻訳伸長因子の機能・構造解析の知見、およびさまざまな解離因子との相同性比較解析により、原核生物解離因子RF-1/2、真核生物解離因子eRF-1がtRNAの構造・機能を擬態するタンパク質分子であり、RF-3は解離因子RF-1/2に対してEF-Tu型もしくはEF-G型の反応機構により反応を促進するというモデル(RF-tRNA mimicry hypothesis)を導いた。
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