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酵母における遺伝暗号変化の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 07250203
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

上田 卓也  東京大学, 大学院・工学系研究所, 講師 (80184927)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1995年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
キーワードCandida / 変則暗号 / コドン / アミノアシルtRNA / アミノアシルtRNA合成酵素
研究概要

一群のCandida酵母は通常ロイシンのコドンであるCUGをセリンに翻訳する。私はこの暗号変化がCUGコドンをセリンに翻訳する特殊なセリンtRNA(tRNA^<Ser>CAG)の出現によるものであることを9種類のCandida酵母においてすでに明らかにしている。
C.zeylanoidesをはじめとするこれらのtRNAは、in vitroにおいてセリンを効率よく受容するが、アンチコドンループにロイシンtRNAの特徴を有しているために、若干のロイシン受容能を持つこと、またその認識機構を昨年度報告した。今年度は、in vitroにおいて観測されたセリンtRNAのロイシル化が、in vivoで実際に生じているかについて焦点をあてた。まず細胞内において、tRNA^<Ser>CAGがロイシンを受容しているかを確認するために、細胞内アミノアシルtRNAの分析法を確立した。この手法により、C.zeylanoidesのtRNA^<Ser>CAGが細胞内でセリンに対し約3%のロイシンを実際に受容していることが明らかになった。次に、このロイシル化したセリンtRNAが、タンパク質合成に参加して、CTGコドンにセリンと若干のロイシンを取り込むかを示すため、C.maltosaのura3変異株を用い、活性に必須な45番目のロイシン残基がCTGコドンでコードされているS.cerevisiae由来のURA3遺伝子を導入して相補を試みた。コントロールとして対応する位置をTCTコドンに改変した遺伝子では全くの相補が観測されなかったのに対し、CTGコドンでは、若干の相補が観測された。この結果は、CTGコドンの若干のロイシル化に由来するURA3遺伝子の低レベルの活性発現によるものであると考えられる。したがって、CTGコドンはセリンとロイシンに翻訳されると結論できる。この知見は1つのコドンが1つのアミノ酸に対応するというこれまでの常識を覆すものであり、遺伝暗号の二重指定状態(dual assignment)であると考えている。二重指定状態が実際細胞において不可欠であるかどうかは、今後の課題であるが、暗号変化の中間状態を支える重要な役割を果たしたと考えている。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tsutomu Suzuki: "A New Method Fov Identifying The Amino Acids Attacked To A Particular RNA In The Cell" FEBS Letter. (in press). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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