研究課題/領域番号 |
07250206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
関根 光雄 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (40111679)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | アンチコドン / コドン / 環状ウリジル酸 / ベント構造 / 分子力場計算 / Uターン構造 / rRNA |
研究概要 |
tRNAはアンチコドンループに鋭く曲がったいわゆる"Uターン"構造と呼ばれるベント構造が存在している。この特異な折れ曲がり構造はコドン-アンチコドンの分子認識機構にも関係する重要な構造的特徴である。今回我々は、このベント構造が実際にコドン認識に関与しているか検証する目的でこのUターン構造を化学的に固定したオリゴリボヌクレオチドを合成しその構造解析をおこなった。 まず、すでに合成を完了し、リン酸ジエステル結合のバックボーン構造が^<31>PNMRによってベントしていると示唆された環状ウリジル酸2量体の分子力場計算によるシュミレーションをおこなった。その結果、真空中ではUターン構造に近い構造が最安定構造となったが、水中でのシュミレーションではUターン構造よりもUターン構造が開いたストレッチ構造の方がエネルギー的に安定であることがわかった。このストレッチ構造をとった場合バックボーンの折れ曲がり角度は約30°になった。このことは、この2量体が核酸を人為的に折れ曲げるための最小限のユニットになることも期待でき、核酸とタンパク質との相互作用の際最近報告されているベント核酸の人工的な合成に発展できるものと考えた。また、実際にこのユニットをRNA中に組み込まないと、Uターン構造をとるのかストレッチ構造をとるのか評価できないため、まずモデル化合物としてこのユニットの3'および5'末端にオリゴチミジル酸を付加したオリゴマーを合成することにした。その結果、固相合成法によって環状ウリジル酸を組み込んだ8量体と14量体のオリゴチミジル酸を合成することができた。これらのオリゴマーを^<31>PNMRとCD等の分光学的手法とゲル電気泳動やオリゴデオキシアデニル酸との熱融解曲線により解析したところ、オリゴマーに組み込まれてもリン酸ジエステル周りの折れ曲がりは同様に存在することがわかった。
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