研究課題/領域番号 |
07250218
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
太田 成男 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (00125832)
|
研究分担者 |
猪原 直弘 日本医科大学, 老人病研究所, 助手 (60232576)
麻生 定光 日本医科大学, 老人病研究所, 助手 (70167914)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | ミトコンドリア / tRNA / ミトコンドリア脳筋症 / ミトコンドリアDNA / アポトーシス / Fas / 呼吸鎖 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
ミトコンドリアtRNA遺伝子の変異によって、どのようにして細胞が死に至るかを明らかにする目的の研究の一貫として、アポトーシス(細胞自滅)誘導遺伝子の発現誘導について調べた。細胞は脳卒中様症状を特徴とするMELAS患者(tRNALeu(UUR)遺伝子の点変異)、心筋症患者(tRNAIle遺伝子の点変異)あるいは外眼筋麻痺を特徴とするCPEO患者(mtDNAの欠失)のmtDNAを持ち、HeLa細胞由来の核を持つ人工的に作成した細胞(=サイブリド)を用いた。ミトコンドリアtRNALeu(UUR)、あるいはtRNAIleの点変異、または5tRNA遺伝子の欠失変異を持つサイブリドは低濃度の抗Fas抗体によって細胞死(アポトーシス)が誘導された。(抗Fas抗体はFas抗原と結合するとアポトーシスを誘導する。)アポトーシスであることはいくつかの方法で確認した。正常mtDNAを持つサイブリド(HeLa細胞由来)では同じ濃度の抗Fas抗体を加えてもアポトーシスが誘導されなかった。その原因を探る目的でFas抗原の発現量を半定量的RT-PCR(reverse transcription PCR)法で調べると数倍以上にmRNA量が増加していた。また、呼吸鎖阻害剤アンチマイシンA(複合体IIIの阻害剤)たロテノン(複合体Iの阻害剤)でもFas抗原mRNAの上昇とアポトーシスに誘導が観察された。したがって、ミトコンドリア機能に損傷があるとアポトーシス誘導因子Fas抗原のmRNAが上昇し、低濃度の抗Fas抗体によってアポトーシスで死にやすくなることが考えられた。
|