研究課題/領域番号 |
07252206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
篠田 義一 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60010104)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 視床 / 視床網様核 / 皮質視床細胞 / 小脳 / VL核 / 運動野 |
研究概要 |
本研究は、視床VL核TCNに対する大脳運動野からの入力について解析を行い、皮質入力による小脳-視床-大脳投射系の調節機構について検討した。特に、皮質からの抑制入力の性質と、それを引き起こす視床VL核内の抑制性介在細胞と視床網様核のGABA作動性細胞を含む神経回路網を明らかにすることを試みた。実験は、ネンブタール麻酔したネコを用い、小脳出力を結合腕(BC)、運動野、前運動野で、電気刺激し、対側VL核で細胞内記録を行った。TCNは小脳刺激により単シナプス性の大きなunitary EPSPに続き、2シナプス性のIPSPが生じた。同様に大脳皮質刺激によって、TCNには大きなEPSPとそれに続くIPSPが記録された。この小脳及び大脳からのIPSPの起源を調べるため、視床網様核細胞(TRN)から細胞内記録を行った所、TRNは、小脳から2シナプス性の興奮性入力を受け、大脳からは、単シナプス性の興奮性入力を受けていた。大脳刺激により生じるEPSPは2種類があり、小脳入力との衝撃実験の結果から、早いEPSPは、視床TCN細胞の軸索側枝を介していることが推定された。大脳刺激で生じるIPSPは少なくとも2種類に分類された。早いIPSPは、大脳から生じる単シナプス性EPSPと同じ潜時であることから、皮質視床細胞を介するものではなく、TCNの側枝を介してTRNが興奮を受け、そのTRNがTCNに抑制を及ぼしているると解釈された。視床VL核内の介在細胞は、小脳核細胞と大脳の皮質視床細胞のそれぞれから単シナプス性興奮性入力を受けTCNに抑制を及ぼしており、視床網様核のTRNは、小脳から視床VL核のTCNの側枝を介して2シナプス性の興奮入力を受け、大脳からは皮質視床細胞から単シナプス性興奮入力を受け、VL核のTCNに抑制を及ぼしていることが明らかとなった。このように、皮質から視床への興奮性及び抑制性入力は小脳-視床-大脳投射系のspatial focusingあるいは、shifting active areaを行う重要な機能的役割を担っていることが推察された。
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