研究課題/領域番号 |
07252223
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
安井 湘三 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (50132741)
|
研究分担者 |
古川 徹生 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (50219101)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 網膜 / 水平細胞 / シナプス / 可塑性 / グルタミン酸 / サイクリックGMP / NO / 2-アミノ-4-フォスフォノ酢酸 |
研究概要 |
鯉網膜における錐体視細胞→H1水平細胞のシナプスについて、短波長信号の選択的伝達、APBをアゴニストとするグルタミン酸駆動型、コンダクタンス減少型、極性反転型、また暗順応により作動が阻害されることなどを我々は明かにしてきた。また、このシナプスに関するH1細胞内分子機構および視覚生理機能の究明も重点的に試みている。本年度の成果は以下の通り主にNO(一酸化窒素)の関与に関することである。 (1)分光応答感度の波長および順応依存性とNO 暗順応網膜にSNP(NO供与体)を投与すると、短波長光(青)に対する感度が相対的に長波長(赤)に比べて減少し、明順応の分光感度曲線と同様の傾向を示した。逆に明順応網膜にHb(NO消去体)を与えると、波長による感度の差は少なくなるという暗順応あるいはAPBと似た効果を得た。 (2)受容野の波長および順応依存性とNO 暗順応網膜にSNPを与えると、波長に依存してH1細胞受容野のサイズに差が生じ明順応の場合と同様になった。明順応網膜にSNPを投与しても変化はなかった。一方、Hbを明順応網膜に与えたところ、受容野の波長依存性は消失して暗順応と同じ状態となった。 (3)光惹起性入力抵抗変化の波長および順応依存性とNO ブリッジによりH1細胞の入力抵抗(Rin)を測定した。暗順応網膜にSNPを与えたところ、青光と赤光の膜電位応答振幅は等しく調節したにもかかわらず、Rin変化に違いが現れた:赤光によるRin変化はSNP投与前と同様に増大であったが、青光では変化が僅かであった。これは、明順応と同じ効果である。一方、NO合成酵素(NOS)の阻害剤であるL-NMMAをH1細胞内に注入すると、赤青のRin差は消失した。APBや暗順応の効果もこれと同様であった。
|