研究課題/領域番号 |
07253211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井口 八郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20028195)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Escherichia coli / 光感受性変異株 / 活性酸素 / プロトポルフィリンIX / ヘム生合成 / hemH, G, E, A / ベン毛運動 / tumbling |
研究概要 |
1) hemH遺伝子を完全に欠失したΔhemH大腸菌株(VS200)より復帰変異株を分離し解析した。復帰株には、(i)第二の変異によってヘム前駆体のプロトIXが蓄積しなくなり、活性酸素の生成がないもの、(ii)プロトIXの蓄積はあって活性酸素が生ずるにもかかわらず、第二の変異によって活性酸素に抵抗性を示すものなどが見いだせることを期待した。実験結果、(i)のケースとして、hemAからhemGの各遺伝子の変異によってプロトIXが蓄積しなくなったものが多く分離できた。こうした変異株はヘム合成系の各遺伝子の解析のために威力を発揮した(たとえば、hemEとhemG遺伝子の解析、新しい遺伝子hemKの発見、真核細胞からのhemGcDNAクローンの分離など)。(ii)に関しては、光に対して非感受性になった復帰変異株の中からから、細胞内にプロトIXを蓄積しているものをスクリーンした。この復帰変異株の光非感受性の性質は小原クローンの#132の感染によって相補された(すなわち、光感受性になる)。現在引き続き、この#132クローンの挿入DNA断片から相補する遺伝子を検索している。 2) hemH遺伝子欠損株(VS101)にkillingが起こらない程度のわずかな光を与えると、「動き」が異常になることを見いだした。細菌は“swimming", “tumbling"を繰り返して動き回っているが、この変異株に光を当てると“tumbling"しか観察出来ない。この現象はプロトIXに起因する活性酸素が鞭毛運動の“tumbling"シグナル系に働いて起きると推察した。ところが最近、この現象はhemH変異株だけではなくてhemGによっても見られ、プロトIX以外の前駆体も考慮する必要が出てきた。
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