研究課題/領域番号 |
07253220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
渡邊 誠 大分医科大学, 医学部・生化学, 教授 (20142408)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | SecB / GroEL / シャペロン / 蛋白質膜透過 |
研究概要 |
大腸菌蛋白質膜透過機構の可溶性因子としてIn vitroの蛋白質膜透過系により同定精製されたSec蛋白は多くの前駆体蛋白に結合しその膜透過を可能にすることが判っているが、その作用機序については前駆体蛋白の構造を膜透過可能な状態に保つとするSecB蛋白-シャペロン説と哺乳動物細胞のシグナル認識因子(SRP)と同様前駆体蛋白のシグナルシークエンス部分を認識しつつ、膜のレセプターにより認識されることで、前駆体蛋白を透過対象の膜まで運ぶとするSecB蛋白-ターゲッティング因子説とが提唱されている。本研究では前駆体蛋白とSecB蛋白等との結合状態を蔗糖密度勾配遠心を用いて解析した。SecB蛋白は前駆体蛋白及び前駆体蛋白からグナルシークエンスの切断された成熟型蛋白の両者に結合するが前者に対するKdが0.8nMであるのに対し後者に対するKdは80nMと顕著なアフィニティーの差が存在することが明らかとなった。さらにSecB蛋白-前駆体蛋白間の結合は合成シグナルペチプドにより競合阻害されるが、その疎水性部分に欠損のある変異シグナルペプチドでは競合阻害は生じない。γファージレセプター前駆体蛋白を大腸菌由来の無細胞蛋白合成系により翻訳合成させるとその前駆体蛋白はSecB蛋白に結合している画分と大腸菌の代表的シャペロンであるGroEL蛋白に結合している画分とに分けられるが、これをATP欠乏状態で37℃に保つとSecB蛋白結合画分は速やかに凝集してしまうのに対して、GroEL蛋白結合画分の凝集傾向は有意に低い。ATP存在下では前駆体蛋白のGroEL蛋白からの解離が認められ、さらに前駆体蛋白-GroEL蛋白画分を低塩濃度下で界面活性剤処理をすると前駆体蛋白の解離が観察された。一方前駆体蛋白-SecB蛋白画分についてはこのような解離現象は認められなかった。
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