研究課題/領域番号 |
07253231
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
林 秀則 愛媛大学, 理学部, 教授 (60124682)
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研究分担者 |
徳富 光恵 農業生物資源研究所, 機能開発部, 主任研究官 (70181980)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 熱ショックタンパク質 / 環境応答 / ラン藻 / 遺伝子破壊 / 遺伝子クローニング / シャペロニン |
研究概要 |
熱ショックタンパク質は動物、植物いずれにもよく保存されたタンパク質である。一方、植物には葉緑体のような特徴的な器官があり、そこに局在する熱ショックタンパク質は植物に固有の機能を有している可能性がある。したがって、植物の細胞内小器官固有の熱ショックタンパク質を比較することは熱ショックタンパク質の多様性、あるいは構造と機能の分化を知る上において重要である。そこで光合成を行う原核生物であるラン藻のGroELホモローグおよび高等植物の葉緑体局在型の熱ショックタンパク質について以下の研究を進めた。 1)ラン藻Synechococcus PCC7002には2種類のgroEL遺伝子(groEL-α、groEL-β)がある。groEL-α遺伝子は大腸菌のものと同様groES遺伝子とオペロンを形成しているのに対し、groEL-β遺伝子は単独で転写される。両者の機能をあきらかにするため、カナマイシン耐性遺伝子のカートリッジの挿入によってそれぞれの遺伝子破壊を行った。groEL-β遺伝子の場合にはラン藻の複数存在するゲノムコピーの全てにおいて破壊でき、熱ショックに対する耐性がわずかながら低下した。一方groEL-α遺伝子については完全に破壊することは困難であり、ラン藻の生育においてより重要な役割を果たしている可能性がある。 2)groEL-α、およびgroEL-β遺伝子産物のチャペロニンとしての機能を解析する目的で、それぞれを大腸菌において大量発現させ、単離精製したのもについて複合体形成の解析を試みた。しかしこれまでいずれの遺伝子産物も2量体は形成するものの大腸菌のGroELのような14量体の形成がみられなかった。 3)高等植物の葉緑体に特異的に存在する低分子量HSPのcDNAの単離を試みた。42℃の熱ショック処理を施したタバコの緑葉から作製したcDNAライブラリーをペチュニアのHSP20のDNA断片をプローブとしてスクリーニングした結果、2種類のcDNAが得られた。いずれにも葉緑体局在型低分子量HSPに特徴的な3つの相同配列が存在するが、移行シグナルを含むN末端領域に差異がみらた。
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