研究課題/領域番号 |
07254212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
飯田 秀利 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (70124435)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 細胞増殖 / 細胞周期 / カルシウム / カルシウムチャネル / パッチクランプ法 / カルモデュリン / 酵母 / Saccharomyces cerevisiae |
研究概要 |
本研究の目的は、酵母を材料として、細胞周期に関連したCa^<2+>の動員とCa^<2+>シグナルの受容と伝達の分子機構を明らかにすることである。前年度までに、mid1変異株はCa^<2+>の流入に変異を持つこと、および、MID1遺伝子産物(Mid1)は新規の形質膜タンパク質であることを明らかにしている。本年度は、Mid1を哺乳類のCHO細胞およびBalb/c3T3細胞で発現させ、パッチクランプ法でMid1のCa^<2+>チャネル活性があるかどうかを測定した。その結果、Mid1はCa^<2+>電流を生じさせる能力、すなわちCa^<2+>チャネル活性があることを明らかにした。この研究はMid1がこれまでに知られているものとは全く異なったCa^<2+>チャネルであることを強く示唆する。なお、Mid1を発現しているBalb/c3T3細胞の増殖因子に対する応答はそれを発現していない細胞と同じであった。 カルシニューリンは、Ca^<2+>/カルモデュリン依存性のタンパク質ホスファターゼであり、細胞増殖を制御し、免疫抑制剤FK506によって阻害される。酵母においては、液泡がCa^<2+>のプールとして重要であり、その膜に存在するH^+-ATPaseが細胞質のCa^<2+>濃度の調節に関与することを我々は既に報告している。今回、H^+-ATPaseのサブユニットの欠損株(vma3)は、(1)高濃度のCa^<2+>存在下でFK506に感受性になること、および(2)カルシニューリンのサブユニットの欠損株(cnb1)と合成致死になることを発見した。しかも、そのFK506の効果は、カルシニューリン活性を阻害する特異的結合タンパク質FKBP-12の存在下でのみ見出された。また、FK506は細胞内遊離Ca^<2+>濃度を減少させる効果があった。これらの結果は、カルシニューリンとH^+-ATPaseが共同して高濃度のCa^<2+>に対応し、細胞内遊離Ca^<2+>濃度を正常に保つことにより細胞増殖を制御することを示唆する。
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