研究課題/領域番号 |
07254215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
田矢 洋一 国立がんセンター研究所, 生物学部, 室長 (60133641)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | RB蛋白質 / 細胞周期 / サイクリンD1 / Cdk4 / Cdk2 / サイクリンE / サイクリンA / p107 |
研究概要 |
RB蛋白質の細胞増殖抑制活性は細胞周期特異的なリン酸化で制御されている。しかし、癌化のメカニズムを考える際に特に重要なGl/S移行期においては、サイクリンD、E、Aをそれぞれ含む少なくとも3種類以上のキナーゼがそのリン酸化に関与すると言われながらも、使い分けの機構などが不明であるので、それを解明することを目的とした。 そのために、サイクリンDl/Cdk4、サイクリンE/Cdk2とサイクリンA/Cdk2をそれぞれ精製し、これらの精製キナーゼで多くの種類の合成ペプチドや蛋白質のリン酸化を行い、基質特異性の違いを解析した。一方では、化学合成したリン酸化ペプチドを抗原として、RB蛋白質の特定リン酸化部位のみ認識するモノクローナル抗体の作製を試みた。 その結果、サイクリンEやA依存性キナーゼによるリン酸化の共通モチーフはS/T-P-X-K/Rであるが、サイクリンDl/Cdk4のそれは明確に異なり、-2の位置にProを必要とすることがわかった。さらに、RB蛋白質上にはサイクリンDl/Cdk4特異的なリン酸化部位があることを見い出し、その部位を変異させたRB蛋白質も作製した。また、p107がサイクリンDl/Cdk4でリン酸化されることもことも見い出した。一方では、RB蛋白質の807番目のリン酸化セリンを認識するモノクローナル抗体が作製できた。 Cdk4特異的なインヒビターであるp16は、多くの癌で失活している癌抑制遺伝子産物でもあるので、p16と同様な活性をもつ低分子物質は癌治療薬になると期待されるが、我々が発見したサイクリンDl/Cdk4の基質特異性は、そうした低分子物質の探索に利用できるはずである。
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