研究課題/領域番号 |
07256204
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
野田 公俊 千葉大学, 医学部, 教授 (60164703)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | コレラ / コレラ毒素 / ADP-リボシル化活性 / 3量体GTP結合蛋白質 / 低分子量GTP結合蛋白質 / ARF / ARI / GSα |
研究概要 |
1.我々はこれまでコレラ発症のメカニズムをコレラ毒素がもつADP-リボシル化活性に着目して研究してきた。その結果、コレラ発症のメカニズムに3量体GTP結合蛋白質と低分子量GTP結合蛋白質とが重要な役割を担っていることが明らかにされた。特に低分子量GTP結合蛋白質のARFは、コレラ毒素のAサブユニットに親和性をもち、そのADP-リボシル化活性を数倍に亢進させること、さらに、その亢進作用の酵素学的解析結果を詳細に報告してきた。さらに、我々は、ARFと分子量的に非常によく似た蛋白質で、ARFとは全く逆の作用を示す蛋白質ARIを発見し、精製することができた。そこで、精製ARFとARIを用いて、コレラ発症のメカニズムの解析を行なうことが出来るようになった。 2.コレラ毒素が3量体GTP結合蛋白質のひとつであるGSaをADP-リボシル化する際に、低分子量GTP結合蛋白質のARF及びARIが密接に関与してくることがわかった。しかしながら、ARFとARの二つの蛋白質を用いて総括的に行われた研究がまだおこなわれていないので、精製されたARFとARIを用いてまず酵素学的解析を行ないたい。 3.コレラ毒素の毒性を中和するARIは我々の発見によるもので、コレラ発症のメカニズムをARFによる促進的な面のみならず、ARIが関与する抑制的な面が存在することを具体的に示したことは独創的な点である。また、ARIの作用機構を解析することにより、コレラの予防法にもつながり得る研究となっている。 4.ARFに関する研究は主として米国のNIHの二つのグループが中心となっているが、ARIに関する研究は我々のみである。コレラ発症のメカニズムをARFとARIの両面から研究しているのはきわめて重要なことで、現在我々のグループのみである。 5.ARI活性を有する非ペプチド性の物質を植物から分離することに成功した。この非ペプチド性ARIの作用メカニズムも今後解析したい。
|