研究課題/領域番号 |
07256209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
倉智 嘉久 大阪大学, 医学部, 教授 (30142011)
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研究分担者 |
山田 充彦 大阪大学, 医学部, 助手 (10263237)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | G蛋白 / カリウムチャネル / 分子生物学 |
研究概要 |
G蛋白質βγサブユニット(G_<βγ>とマウスムスカリン性カリウム(K_<ACh>)チャネルの直接的な連関を証明するため以下の実験を行った。マウスK_<ACh>チャネルのクローン(MB-GIRK1)はそのほぼ分子中央に2つの膜貫通想定領域を有し、これらよりそれぞれCおよびN末端側を細胞内側に向けて細胞膜内に存在している。このC末端側にはβアドレナリン受容体キナーゼのG_<βγ>結合部位と相同性を有する部位があるので、MB-GIRK1の第2膜貫通想定領域よりC末端側部分を大腸菌を用いてグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)融合蛋白質として調整した。これをウシ脳由来のG_<βγ>とin vitroで反応させると両者の結合が認められた。またholo G_<i-1>またはG_<i-2>は、GTPγS存在下にG_<βγ>とGST融合蛋白質の結合を引き起こしたが、GDP共存下では引き起こさなかった。一方、G蛋白質αサブニユットとMB-GIRK1の結合を示唆する結果は得られなかった。またMB-GIRK1C末端のGST融合蛋白質は、G_<βγ>とin vitroで反応させると、G_<βγ>のK_<ACh>チャネルを活性化させる効果を減弱させた。以上のことより、MB-GIRK1C末端にはG蛋白質活性に依存してG_<βγ>と結合する機能が存在すると考えられた。また、モルモット心房筋細胞のK_<ACh>チャネル活性およびキネティックスの細胞内GTP濃度依存性を詳細に検討した。その結果、G蛋白質はチャネルの活性化ゲートには影響せず、活性化ゲートによって活性調節を受けるチャネルの分画を任意の膜電位で増加させることが解かった。したがって、MB-GIRK1C末端とG_<βγ>の結合がこのような様式でK_<ACh>チャネル活性を亢進させるようであるが、G_<βγ>がどのようなK_<ACh>チャネル蛋白質の構造変換を生じてこの現象を誘発するのかはまだ不明で、今後の検討が必要である。
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