研究課題/領域番号 |
07257102
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 一彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80191394)
|
研究分担者 |
塩川 左斗志 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (20215940)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | T細胞レセプター / PCR / SSCP / T細胞 / 慢性関節リウマチ |
研究概要 |
前年度まで、我々が確立したT細胞クロノタイプ検出法を用いて、生体内および試験管内での特異抗原刺激に対するリンパ球集団におけるT細胞クロノタイプの動き、自己免疫疾患、骨髄移植、腫瘍などの免疫病におけるT細胞クローンの集積の状態を検討した。本年度は、これらのT細胞の認識する抗原について検討することを目的とした。まずこれら抗原特異的T細胞クローンのT細胞レセプターのCDR3領域のアミノ酸配列に注目し、これを解析した。たとえば、慢性関節リウマチの滑膜病変に集積しているクローンのDNAバンドを抽出し、塩基配列を決定しそのアミノ酸配列を推定した。その結果、異なる患者で、その病変に集積しているT細胞が、非常に類似したCDR3領域のアミノ酸配列のT細胞レセプターを使用していることが判明し、類似の病原エピトープを認識している可能性が示された。さらに、これら病変局所に集積しているT細胞が認識する抗原を、直接同定する新しい方法を検討した。従来、生体内で集積しているT細胞の抗原特異性を決定する有効な方法はほとんどない。この点で、SSCP法でのDNAの泳動度は再現性良く、同一のゲルでの検討でクローンの同一性を簡単に知ることが可能であることを利用した。すなわち、病変に集積しているT細胞クローンと、同一患者の末梢血リンパ球を可能性がある抗原と試験管内で混合培養して出現するT細胞クローンを比較することで、前者の抗原特異性を決定する方法を確立した。この方法を用いることで、たとえば、C型肝炎の肝臓に集積しているT細胞が、HCV特異的であることを示すことができた。すなわち本法は新しいT細胞の抗原特異性を決定する手法となりうることが判明した。
|