研究課題/領域番号 |
07257204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
徳久 剛史 千葉大学, 医学部, 教授 (20134364)
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研究分担者 |
幡野 雅彦 千葉大学, 医学部, 助手 (20208523)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | c-fos / メモリーB細胞 / クラススイッチ / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
本研究は、メモリーB細胞の分化機構をc-fos遺伝子のレベルで解明することを目的とする。そのためc-fos遺伝子を恒常的に発現するトランスジェニックマウス(H2-c-fos)や遺伝子誘導型のトランスジェニックマウス(Mx-c-fos)を用いた。H2-c-fosマウスは抗原で刺激してもIgGクラスの抗体産生が見られない。そこでG2-c-fosマウスを抗原で刺激した後の脾臓におけるIgG^+B細胞の分化能を病理学的にまた蛍光抗体とFACSを用いて解析した。その結果、胚中心の形成がほとんど見られずIgG^+B細胞が検出出来なかったことから、IgGクラススイッチ過程を含むメモリーB細胞の分化段階が障害されていることが明らかになった。つぎにIgGクラススイッチ過程の異常かどうかを調べる目的で、H2-c-fosマウス由来のB細胞をLPSとIL-4とともに培養した時のIgG1陽性B細胞を蛍光抗IgG1抗体とFACSを用いてまたIgG1抗体産生量をELISA法で解析した。その結果、IgG1クラススイッチが見られず、IgG1抗体産生も見られなかった。 そこで、Mx-c-fosB細胞をLPSとIL-4とともに培養した時のIgG1抗体生産量をELISA法で解析した。そのとき、培養系に経時的に誘導剤を添加してc-Fosの発現を誘導することにより、IgG1クラススイッチ過程の異常を解析した。その結果、c-fos発現誘導を培養後2-4日目に行うとIgG1へクラススイッチしつつあるB細胞がアポトーシスで死滅した。ところが発現誘導を培養の4日目以降におこなってもIgG1へクラススイッチしたB細胞は抗体産生細胞へ分化できた。培養後2-4日目にB細胞内でIgG1へのクラススイッチ(遺伝子組み換え)が起きることから、過剰のc-fosはB細胞のクラススイッチ過程において細胞死を誘導することが明らかになった。
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