研究課題/領域番号 |
07257225
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
矢倉 英隆 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学研交部門, 副参事 (60166486)
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研究分担者 |
片桐 達雄 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学, 主事研究員 (00233742)
荻本 真美 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学, 主事研究員 (80158609)
水野 一也 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学, 主任研究員 (00219643)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | CD45 / チロシンホスファターゼ / アポトーシス / Lyn / PEP |
研究概要 |
(1)CD45により制御されるシグナル伝達経路の解析:B細胞抗原レセプター(BCR)を介するシグナルにより、細胞増殖の抑制、アポトーシスが誘導される。成熟B細胞株BAL-17からCD45陰性クローンを樹立して、CD45の役割を解析した。その結果、CD45は抗IgM抗体刺激によるチロシンリン酸化、カルシウムイオンの動員には軽度にしか関与していないこと、また増殖抑制誘導には不可欠であるが、アポトーシス誘導にはほとんど関与していないことが明らかになった。 (2)CD45によるLynキナーゼの選択的制御:未熟B細胞株WEHI-231から樹立したCD45陰性クローンでは、チロシンリン酸化が構成的に亢進している。このクローンを用いて、CD45のB細胞における基質の同定を試みた。BCR複合体に結合するsrc型PTK(Lyn、Lck、Blk)、およびSykファミリーPTKのSykについて、チロシンリン酸化と酵素活性をCD45陰性クローンと親株で比較検討した結果、Lynのチロシンリン酸化とキナーゼ活性だけがCD45によりネガティブに制御されていることが明らかになった。このことから、CD45の作用の選択性と、Lynの脱リン酸化による酵素活性の抑制機構の存在する可能性が示唆された。 (3)B細胞シグナル伝達におけるPEPの役割:BCR刺激後、PEPホスファターゼがmRNA、蛋白レベルで発現増強することが明らかになった。抗PEPペプチド抗体を用いたウエスタン解析により、特に核内PEPの発現が選択的に上昇していた。さらに、PKCを消費した後にはBCR刺激による発現誘導はみられなかったことから、PEPの核内での発現はPKCに依存していることが示唆された。また、LPS刺激ではPEPの誘導は見られなかった。したがって、PEPがBCRを介して最終的に増殖抑制、アポトーシスに至るシグナル伝達を核内で制御している可能性が考えられる。
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