研究課題/領域番号 |
07259205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
楠 進 東京大学, 医学部(医), 助手 (90195438)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ガングリオシド / フコシルGM1 / 後根神経節 / 糖鎖 / 糖転移酵素 / 分化 |
研究概要 |
われわれはフコシルGM1ガングリオシドがヒトとウサギの脊髄・後根神経節および末梢知覚神経で特有の分布を示し、発生学的に著明に変動することを報告して、フコシルGM1が神経系の分化や組織構築において重要な役割を果たしている可能性を指摘してきた。特に隣接する細胞ないし組織に同時に認められるという特徴は、フコシルGM1が細胞認識や相互作用に関わっている可能性を考えさせる。今回はウサギ大脳・小脳および脳幹などの中枢神経におけるフコシルGM1の存在を生化学的に解析し、さらに抗フコシルGM1モノクローナル抗体(CRD73-6)を用いて免疫組織化学的に検討を加えた。その結果、フコシルGM1は末梢神経に比較して量的に少ないが、中枢神経にも存在することが明らかとなった。また免疫組織染色により大脳では海馬周辺および脳幹部の神経核に局在することがわかった。フコシルGM1は中枢神経においても独特の局在を示し、何らかの神経生物学的役割を担っている可能性が考えられた。われわれは既報告のヒトα1-2fucosyltransferaseのsequenceをもとにhomology cloningを行ない、ウサギにおいて2種類のβ galactosideα1-2fucosyltransferase(RFT-IとRFT-II)のクローニングを行なった。これらの2つの遺伝子をneuroblastomaのcell lineであるneuro2a細胞に導入したところ、RFT-IIの導入ではガングリオシドパターンに著変がなかったが、RFT-Iの導入によりfucosyl GM1が豊富にみられるようになった。今後これらの遺伝子を導入した細胞の性質の変化を詳細に検討することにより、フコシルGM1の生物学的意義がさらに明らかになるものと考えられる。
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