研究課題/領域番号 |
07260210
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鎌田 真司 大阪大学, 医学部, 助手 (20243214)
|
研究分担者 |
辻本 賀英 大阪大学, 医学部, 教授 (70132735)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 細胞死 / アポトーシス / ジーンターゲテイング / bcl-2 / ICEファミリー / システインプロテアーゼ |
研究概要 |
細胞死(アポトーシス)制御は、細胞死実行遺伝子と細胞死抑制遺伝子が中心的役割を果たしている。本研究では新たな細胞死制御遺伝子の同定とその解析、及び欠損マウスの作成を通して、個体レベルでの細胞死の機構を明らかにすることを目的とし、昨年度までに細胞死抑制遺伝子であるbcl-2遺伝子を欠損したマウスを作成し、そのマウスに生じる種々の異常を解析した。一方、細胞死実行遺伝子に関しては、線虫の遺伝学的解析から同定されたced-3遺伝子産物がICE(IL-1β converting enzyme)と相同性を持つことが示され、多数のIceファミリー遺伝子が存在することが報告されつつある。本年度我々は2種類のIceファミリー遺伝子をヒトcDNAライブラリーより単離することに成功し、ric-2,ric-3と命名した。ric-2,ric-3共に、Ice/ced-3ファミリー遺伝子の機能にとって重要なシステインプロテアーゼとしての活性中心であるQACRGを完全に保存していた。RIC-2,-3はICEとアミノ酸レベルで50%以上の相同性を有し、ric-2のヒト組織における発現分布はIceとほぼ同様のパターンを示した。ric-2の高発現は培養細胞に細胞死を誘導し、その活性はQACRGからQACRGへの点突然変異により失われた。また、cowpox virusがもつcrmA遺伝子は神経細胞、リンパ球細胞などに引き起こされる細胞死を阻止することができ、CrmAの作用はICE特異的なプロテアーゼ活性阻害と考えられていた。しかしながらCrmAはICEのみならずRic-2が引き起こす細胞死も阻止できることが明らかとなり、これらの結果はric-2がIce/ced-3ファミリーに属する新たな細胞死実行遺伝子であることを示唆するものと考えている。
|