研究課題/領域番号 |
07261206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
浅田 哲弘 大阪大学, 理学部, 助手 (90263201)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1995年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 植物 / タバコ培養細胞 / 隔膜形成体 / 微小管 / モータータンパク質 |
研究概要 |
タバコ培養細胞BY-2の隔膜形成体から単離した微小管系モータータンパク質TKRP125の分子構造と生理機能に関する以下の新しい知見(A-C)を得た。A)TKRP125の全長1060アミノ酸残基をコードするcDNAをクローニングし、配列決定を行なった結果、TKRP125は、N末端側にキネシン様モータードメインを持ち、C末端側に独自のアミノ酸配列を持つキネシンスーパーファミリーの新しいメンバーであることが判明した。B)TKRP125モータードメインのATP/GTP結合部位と微小管結合部位の間に存在する15残基のアミノ酸配列を認識する抗ペプチド抗体(pAb125)を細胞膜を透過性にしたタバコ培養細胞BY-2に導入すると、隔膜形成体微小管の滑べり運動が抑制されることから、TKRP125が、隔膜形成体における微小管のマイナス端方向への動きを担うモーターであることが明らかになった。C)冷却CCDカメラを用いてチューブリン-TKRP125の2重染色像をコンピューターに入力し、画像補正、画像解析を行なうことにより、細胞内の微小管に沿って分布するTKRP125には濃度的な勾配があることが明らかになった。本研究は、TKRP125が、分子構造と生理機能の両面において、これまで調べられてきたキネシン様蛋白質と異なる特有の性質をもつことを示した。「細胞内のTKRP125は、微小管を極性移動させ、また微小管上を極性移動する」。今後、TKRP125と細胞内微細構造の関係を明らかにすることにより、微小管編成の動的機構に関する一般モデルの構築をめざす。
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