研究課題/領域番号 |
07262210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
梅園 和彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (50183752)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 神経発生 / 転写因子 / 遺伝子発現制御 / アクチビン |
研究概要 |
前脳部神経発生におけるシグナル伝達の機構について、転写因子であるTlx遺伝子の発現に注目して研究を行った。また、増殖因子・中胚葉誘導シグナルの受容体のひとつであるアクチビンレセプター遺伝子の発現制御について解析した。 ニワトリTlx遺伝子のcDNAをプローブとしてラット脳およびマウス胚cDNAライブラリーをスクリーンし、哺乳類Tlx遺伝子を得た。ついでマウスTlxゲノム遺伝子を単離し、PCR法を応用することによって9個のエキソンを20kbの領域内に同定した。現在ノックアウトマウスの作成が進行中であり、プロモーター上の転写制御配列について解析を行っている。 ニワトリ8日目胚の終脳部分の切片に対して、Tlxの発現を核内レセプター遺伝子COUP-TFIIと比較検討した。これらは神経網膜など重複した発現領域をもつが、終脳部分においてはTlx遺伝子は脳室層に片寄った発現を示し、分化した神経細胞層(COUP-TFII陽性)にはシグナルが認められなかった。終脳脳室層でのTlx遺伝子の発現は、COUP-TFII、転写因子遺伝子qin、2つのアクチビンレセプター遺伝子ActRII-A,II-Bなどとも一部重複していた。これらの観察から、Tlx遺伝子は神経管の前後軸が確立するのとほぼ同時に、前端部という位置情報に依存して発現誘導を受ける可能性が示唆され、その後も未分化な前駆体細胞でのみ発現が維持されることが明らかとなった。 哺乳類においてはマウス胚を用いて解析を行った。Tlx遺伝子の発現はwhole mount in situ hybridization法では7.5日目から認められ、ニワトリ胚と同様、頭部外胚葉に限局している。また、13.5日目胚の頭部切片を用いた解析からは、終脳に由来する部域の脳室層で強い発現が認められた。さらに、神経組織以外に嗅上皮でもTlxの発現を見いだした。
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