研究課題/領域番号 |
07262211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
嶋田 拓 広島大学, 理学部, 教授 (70011559)
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研究分担者 |
中坪 敬子 広島大学, 理学部, 助手 (40192760)
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ウニ / 発生 / 原腸形成 / アリールスルファターゼ / Ars遺伝子 / 発現 / 転写因子 / ECM |
研究概要 |
動物発生において最初に認められる形態形成運動は原腸陥入である。ウニ胚では間充織胞胚期にアリールスルファターゼ(Ars)遺伝子の発現が始まる。原腸形成におけるArsの役割とその遺伝子発現調節機構の解明による原腸形成の分子機構の理解を目的とし、本年度は、Ars遺伝子の転写エンハンサーの同定と、ウニ胚形態形成におけるArs蛋白質の役割を解析し、以下の結果を得た。 (1)Ars遺伝子の第1イントロン内の230bpエンハンサー(C15)にはGGATTA及びその類似配列4個からなるクラスターと2個のCCATT配列がある。エンハンサー活性はCAATTとGGATTAの相互作用によって生じている。GGATTAはショウジョウバエでは0td、マウスでは0txとして知られるモチーフで、いずれも頭部形成に関わる転写調節因子である。ノザン解析によりバフンウニ胚ではそれぞれArs遺伝子への結合時期が異なる3種の0txがあり、それぞれ発生の進行とともに異なる出現パターンを示す。3種の0txのcDNAの塩基配列は、ホメオドメインから3′UTRの末端まで同じデアルガホメオドメインから上流は異なっており、ゲノム中に0tx遺伝子は1個しかないので、3種の0txはalternative splicingによって生じると考えられる。 (2)Ars抗体をプローブとする免疫電顕法で、Ars蛋白質の大部分は原腸胚、プリズム胚、プルテウス幼生では反口外胚葉表層に局在することがわかった。ウニ胚からArs画分を粗抽出し、Ars抗体を用いてウエスタンブロットすると、Ars蛋白質は巨大分子量の蛋白質に強く結合していた。プルテウス幼生は、原腸胚の反口外胚葉部域が伸張することによって形成され、その結果oral-aboral axisができる。Ars蛋白質は反口外胚葉領域の胚表層に分泌されてECM成分となり、oral-aboral軸に沿う細胞運動の足場となると考えられる。
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