研究課題/領域番号 |
07262218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
濃野 勉 川崎医科大学, 医学部, 助手 (20098619)
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研究分担者 |
川上 泰彦 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10234030)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | パターン形成 / 肢芽 / 線維芽細胞増殖因子(FGF) / FGF-4 / Sonic hedgehog / 骨形成因子(BMP) / BMPレセプター / Wnt-11 |
研究概要 |
細胞間相互作用にかかわるシグナル分子が四肢のパターン形成における位置価の決定にどのように関係しているかを理解するために、作業仮説としてFGF⇔Shh⇒BMP、Wntの経路を想定し、これらの相互関係を調べた。 1.FGFファミリー:レトロウイルスベクターを用いてFGF-4遺伝子を体側部で異所的に発現すると、前肢と後肢の間に第5番目の過剰肢(Dasoku)が形成される。この過剰肢は前後の極性が反転し、それはShhの発現と関連している。後肢の近くに誘導された過剰肢は後肢の形質を示し、逆に前肢の近くに誘導された過剰肢は前肢の形質を示す。このことは体軸上の位置に応じて前肢、後肢の形質を決定する因子の勾配が存在することを示している。 2.BMPファミリー:BMPファミリーの軟骨パターン形成における役割を理解するために、BMPレセプターによるシグナルの遮断を試みた。2つのタイプIレセプターのうちBRK-1は肢芽でほとんど発現していないが、BRK-2は肢芽中心部の凝集が始まった間充織および軟骨膜で局所的に発現している。タイプIIレセプターのBRK-3はAERおよび指の間の間葉細胞、軟骨膜などで発現している。 kinase domainを欠失したdominant negative (DN)型のレセプターによる効果を調べると、BRK-2-DNでは肢芽間葉細胞のプロテオグリカンの生合成が有意に抑制されるが、BRK-1-DN、BRK-3-DNではその効果が見られない。BRK-2-DNをRCASを用いて肢芽全体で発現させると軟骨分化が抑制され、その結果四肢の骨のパターンに異常が見られる。欠損は後部側先端部で顕著であり、特に前腕の骨では尺骨のみが欠失する。先端部の指骨、中手骨の欠失も後部側で顕著である。これらの結果から、骨の前後軸にそったパターン決定にBMPが必須の因子として関与している可能性が高い。 3.Wntファミリー:肢芽で発現するWntファミリーとして、腹側先端部で発現するWnt-5a、背側外皮で発現するWnt-7a、背側間葉で発現するWnt-11がある。Wnt-11をRCASで過剰に発現すると先端部が外側に湾曲し、指の骨に異常が見られる。指骨、中手骨の短縮と融合が見られ、Wnt-11も骨のパターン形成に関係していると考えられる。
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